小説 | ナノ


風丸さんが何か頭おかしい
一緒に住んでおります















俺はヒロトを付き合っている。
ヒロトは凄く可愛い奴だ。今まで人生生きてきた中で一番可愛い。可愛いだけじゃなくて、とても気の利く子だ。
それに料理も上手い。掃除もこまめにする。
一言で言えば完璧なんだ。
俺なんかが恋人でいいんだろうか、と思ってしまうほど。

こんな良い子が俺の恋人って思うと不安な事も出てくるんだ。
俺と付き合っていて実は別の人と付き合っているのかもしれないって事を。

こんな事を思い始めると一気に不安になった。
本当にヒロトは俺の事が好きなんだろうか。

気になりすぎて俺はヒロトの居ないすきに携帯をチェックする事にした。
メールは俺は勿論、ヒロトと一番仲の良い吹雪やらたくさん名前がある。
メール内容をチェックすると吹雪と遊ぶ約束をするみたいだった。
吹雪は染岡と付き合っているから心配はいらない。

大丈夫みたいだ。
電話もチェックしてみよう。電話は……俺だな。
俺がヒロトにしつこく電話をかけているから俺で埋まっている。
下の方を見ていくと一つだけ俺じゃない名前があった。

「南雲晴矢」

……確かヒロトと同じおひさま園の奴だった気がする。
そいつがヒロトに何の用なのだろうか。
南雲の留守電が入ってるみたいだから聞いてみた。

「……何で出ねーんだよ、おいヒロトちょっと話したい事あるからいつもの所に来いよ、いいな」

そこでプツリと切れた。
……ヒロトが俺に内緒で俺じゃない男と会ってるっていうのか?
それに話したい事といつもの所って……。
南雲からの電話は一週間前、か。

俺は一気に不安になってヒロトの部屋をあさる事にした。
部屋はいつも通り、ヒロト以外の臭いもしない。
俺は少し安心してヒロトのベットにゴロンと寝ころんだ。

「……ん?」

立って探してる時には気付かなかったけど、何だあれは。
机の下に箱みたいのがある。しかもラッピングしてある。

俺はバッと起き上がってその箱を机の下から取り出した。
誰かからのプレゼントか?ピンク色の紙で包まれている。
紙が破れないように綺麗に包装を破いて中身を取り出す。

「髪留め……だよな」

凄くシンプルな髪留めだった。ワンポイントで花の飾り物が付いていた。
俺は花に詳しくないから何の花かは分からないけど、ヒロトに似合いそうな髪留めだ。
南雲から貰ったのか?この髪留めを。

そう思ったらイライラが止まらなくなって俺は髪留めをバラバラに壊した。跡形も無く。
ヒロトにはこんなモノ似合わない。ヒロトは俺だけで十分なんだ。
バラバラになった髪留めは邪魔だからゴミ箱に捨てた。

俺に黙って浮気なんてヒロトも完璧な奴じゃなかったんだ。
容姿などで俺を騙した最低な奴なんだ。







「ただいま、風丸君」

何も知らないヒロトが帰ってきた。今日は吹雪と一緒に買い物に出かけたみたいだ。
でもそう約束して実は裏で南雲と会ってたりしたのかもしれない。油断ならない。

「おかえり、ヒロト、楽しかったか?」
「うん、凄く楽しかったよ。久々に吹雪君に会ったしね」

そう言ってヒロトは上着を脱いでソファーに座った。
今日会った出来事をヒロトは楽しそうに俺に言うが、俺には何にも頭に入ってこない。

「風丸君?」
「……なあヒロト、お前浮気してるだろ」
「え?してないよ、何言ってるの風丸君」

とぼけた顔しやがって……。

「お前の部屋で見たぞ、何だよあの髪留め。浮気相手から貰ったんだろ、今日も実は吹雪じゃなくてその浮気相手と会ってたりしてな」
「か、風丸君、どうしたの、俺浮気なんてしてないよ、それにあの髪留めは」
「そう言って裏では男に媚び売ってるんだろ」

ずっと分からないなんて顔をしてるヒロトの首にソッと手を持っていってグッとヒロトの首を絞めた。

「あッ……ぐぅ」

苦しそうな声なんて出して。浮気なんてしたお前が悪いんだからな?
口からヨダレを垂らしてるヒロトを見てパッと手を離すとヒロトは咳き込んで息を吸おうと必死になっていた。

「何、で……こん、な事する……の……」
「最初から言ってるだろ、浮気したからだよ」

四つんばいになってるヒロトの腹を蹴るとヒロトはグッとうめき声を出して腹を押さえて倒れた。
浮気なんてしなかったらそんな目に遭わずにすんだのにな。

「二度と浮気なんてさせないようにしてやるよ」

















_
おかしいよって一番言いたいのは私だ
後付として、晴矢がヒロトに電話したのは来月の風介の誕生日会の事だったりする
髪留めは髪の毛が凄い風介へのプレゼント

おかしいな、ラブラブな二人が書きたかったのにwww


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