白石と跡部がくっつくまで その6


場所はお前のおすすめのところがいいって跡部クンが言ってくれたんやけど、正直どこ案内していいかさっぱり分からん。
ええところいっぱいあるんやけど、たくさんありすぎて何処に行ったらって感じや。
とりあえず公園でも行こうか、となって歩き出すと跡部クンが



「コウエンってなんだ?」
「……んんん?公園?知らんの、跡部クン」
「知らねぇよ、大阪にしかない特別なモノなのか?」
「あ、いや全国共通やで」



まさか公園を知らんとは。
あぁ、跡部クンそういえば登下校は車やったっけ。
……そもそも跡部クンが公園って、なんか似合わんなぁ。



「全国共通なのか?何があるところなんだ?」
「んー場所によってちゃうけど、せやなぁ、俺らが今から行くところはちょっと広めの緑がいっぱいあるとこやな」
「自然がいっぱいなのか、ふぅん」



適当に跡部クンに説明していると公園は目の前に。
やっぱり休日だからか、家族連れやカップルがめっちゃおる。
跡部クンって人混み嫌いやったら違う場所探さなあかんけど……。



「へぇ、確かに自然が多いじゃねぇの」



嫌な思いはしなかったらしく、とりあえず座る事に。
ベンチは家族やカップルが占領しているため大人しく草や花が生い茂っているところに座る事に。
あ!せや、こういう時にハンカチを敷くとええんやろ!
颯爽とハンカチを敷こうとすると跡部クンは



「いらねぇよ」



と、俺を見てそのまま座った。跡部クン汚れ気にならんのかな。
じっと隣に座った跡部クンを見ると風でそよそよを髪の毛が揺れていた。
その風を気持ちよさそうに肌で受けて、ふっと笑った。



「気持ちいいな、こういうのも悪くねぇな」
「せ、せやろ!跡部クンとゆっくりと、しゃ、喋りたいと思っててん!あ、跡部クン喉乾かへん!?お、俺そこのお姉さんから飲み物買ってくるわ!」



笑った跡部クンが綺麗すぎて居ても立ってもいられなくてとりあえず立って席をはずくことに。
あかん、めっちゃ綺麗。え、なにあれ。前々から跡部クンって綺麗やなぁ、なんて思っとったけど、それ以上に綺麗やった。
太陽の光を浴びた跡部クンの亜麻色の髪の色に反射してキラキラ光ってるみたいやった。
あぁーやっぱり跡部クンの事好きやわ。



飲み物を買って跡部クンの元に戻ると変わらない体制で空をぼうっと眺めていた。



「あ、遅ぇぞ」
「あ、ごめん。これ跡部クンの口に合わんかもしれへんけど」
「口に合うか合わねぇかは俺が決める」



それもそうだ、と思い跡部クンに飲み物を渡そうとすると、こつんと跡部クンの手が俺の手に触れた。
触れてしまった。あ、跡部クンの手に触れてしまった。



「あ、うわあああ!あ、ご、ごめん!手、手ごめ」
「っふ」
「……ふ?」
「お前、さっきからなんなんだよ」



耐え切れなくなったのか、慌てた俺を見てお腹を押さえて笑い出してしまった跡部クンもめっちゃかっこええ、じゃなくて!
え?さっきからって……



「バカ、意識しすぎだろ、さっきから」






確かに恋だった



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