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じっとこちらを見つめる視線。
「…卵焼き、好き?」
遅い朝食にありついたせっちゃんの前には、まちが座っていた。
こくりと頷く少女は、先程から彼が箸を口へ運ぶのを黙って見ている。
「…食べる?」
せっちゃんが尋ねると少女の顔がきらきらとほころんだ。
彼が箸で摘んだ一切れを、まちはぱくりと口に入れる。
甘い卵焼きはまちの好物だった。
「ありがとう!」
「いえいえ」
あっという間にもうひとつも食べ終わって、嬉しそうに笑うまちに、せっちゃんはほっと胸を撫で下ろした。
「こちらこそ」
「?」
「なんでもない」
せっちゃんは、甘い卵焼きが苦手だった。


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