2015/07/12 17:26
「しゃんなろー!!」
「おっせぇよ!サラダ!」
小さな金糸髪の少年に重い拳を降り下ろすが、身軽にひらりとかわされる。
かわされた拳は空振りに終わり、体勢が崩れてよろめいた。
後ろから空気を切る音が聞こえて、感覚で何とかボルトの蹴りを避ける。
そのまま体を反転させてボルトと距離をとった。
「おいおい。サスケん家の庭壊すなよ」
「ったく、血の気の多い……」
「サスケくんがそれを言うのね」
「あはは…」
ヒナタとサクラは向かいに座る夫達を見て呆れ笑った。
そして、遊びだと称して派手なやりあいをしている子供達を見てまた顔を見合わせる。
「ボルトのやつ、また腕をあげたようだな」
「……サラダはサクラちゃんにどんどん似てきたな…」
「影分身の術!!」
「あー!ボルトずるい!」
ボルトが影分身をしたお陰でさらにハチャメチャなことになっている。
すると、ボルトの影分身の一人が縁側からこちらに走ってきた。
「お茶!!」
「喉乾いたなら二人できなさいよ」
「サラダの体力に全然ついていけねぇ」
「へぇー。女相手に弱音吐くのか?ボルト」
ナルトがニヤニヤとしながらポンポンとボルトの頭を叩いた。
その挑発にボルトは容易く乗ったらしく、顔をしかめて結局お茶も飲まずに戻っていった。
「サラダちゃん、すごいね。もう影分身のボルトほとんど消してる……」
「お兄ちゃん、なんかムキになってる」
ひまわりがヒナタの膝の上でそう言いながら手遊びをしている。
ひまわりのコップに牛乳がなくなっていたのを見つけたサクラが、席をたった。
「サクラ、」
「ごめん、もうお茶なくなったの。今から作るからお水でいい?」
「ああ」
「サクラちゃん。サスケ何も言ってないのに、」
「サスケくんのコップも少なくなってたから、そう思っただけよ」
サクラはいつものあの笑顔で、ひまわりとサスケの前にコップをおいた。
「言わなくてもわかるってか?いやらしいー」
「ナルト、お前いくつになってそんなこと言ってる」
「サスケくんがそれを言うんだ……」
「ところで、お買い物にはいついくの?」
口の周りを白に染めながら、コップから口を離したひまわりが言った。
元々はうずまき家、うちは家で買い物に出ようと約束していたのだが、ボルトとサラダが庭で始めてしまったのでとりあえず大人組は茶をすすっていたのだ。
「あの子達、なかなか終わらないわねぇ」
「買い物に行ったら多分寝ちまうだろうな」
「せっかくボルトのやつを目一杯構ってやろうと思ったのによ」
「久しぶりのお休みだもんね」
ヒナタは頬を染めてナルトに笑いかけた。
ヒナタも相当嬉しいらしい。
サクラも、家族で出掛けるなんて久しぶりなので実は嬉しかったりする。
少しくたびれてきたサスケの服も買い換えたかったし、時間があるならばサラダの修行にも手を貸したかった。
「おぉーい。もう行くぞー」
「父ちゃん、待てって!」
「……あれはお風呂が先になりそうだね」
「もう、まだ待たされるの?」
「サクラ……」
「俺達は子供達が風呂から上がってくるまでゆっくり茶の続きを楽しもうってば」
少し苛立っているサクラをサスケが制し、ナルトがフォローに入った。
サクラは再び立ち上がると、未だにやりやっているボルトとサラダの首根っこをつかみ、風呂場へ投げ込んだ。
「さ、サクラちゃん…」
「さて、静かになったことだしお茶の続きを楽しみましょうか」
「……よっぽど行きたいんだな」
「皆でお出掛けなんて久しぶりなんだもん。行きたいに決まってるわよ。ね、ヒナタ?」
「うん……!」
ヒナタが先程よりも綺麗に笑うものだから、いささか乱暴な手に出たサクラを叱れない二人。
「……すぐに出られるように用意しなきゃな」
サスケがそういったとたんに風呂場からものすごい音が聞こえてきたので、サスケは頭を抱えた。
また、始まったらしい。
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ここまでかいて、なんか目的もまとまりもないなと思ったのでボツ。
こんな風景はあったらいいなぁって思います。