いっそのこと高温の熱で火傷してしまえばいいのに。じわりじわりと浸食するように広がる熱は、まるで私を低温火傷させる罠のよう。あなたが首筋に舌を這えば、そこには華麗な赤い火傷の痕が出来て、あなたが口内を犯せば私の舌はみるみる内に熱さで麻痺してしまう。こうして体中に火傷の跡を残すのがこの男の趣味なのだ。

「…熱い」
「なに?」

あなたに舐められた箇所全てが熱いの。睨み付けて訴え掛ければ、彼はククッと喉を鳴らして笑った。向けられた色違いの瞳は氷のように冷たい。反して、私の体はチリチリと焼かれたように痛みが生じる。

「それはお前も一緒でしょ。こうしてオレを舐め上げるお前の舌も熱い」

言われた言葉が嬉しくて、艶やかに笑う男の唇を舐め上げる。薄く開いた唇を舌で割り入れて絡めれば、いつもの感覚に襲われて目を閉じた。嗚呼、舌が皮膚が肉体が、熱いあついあつい。心までもが、火傷する。耐えきれず、唇を離せば二人の口端からは腐った愛が垂れ流れていた。



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