ねえねえ聞いてよあのねあたしお花になりたいポカポカあたたかいお日さまの力を借りてそよそよと吹く風に髪をなびかせてもらうの。春になれば桃のあの甘くておいしそうな匂いに包まれて夏になればにぎやかな蝉の求愛に耳をすませるの。そして秋になれば枯れた葉っぱを誰かが踏みしめる音を楽しんで冬には雪の結晶を積もらせて溶けゆく姿を見届けるの。あたしはこうして些細な喜びや小さな変化を感じながらのんびり暮らしたい。ねえもしもあたしがお花になったのならあなたはハチになって会いに来てね。あたしの甘い甘い蜜を運んであなたは広く青々とした空を滑走しながら飛んでゆくの。そしてハチは羽を休めると蜜をひとすくいして口にふくみ甘いの一言で苦笑い。あなたの中で溶けた蜜は血液に羽もっと細かく言えば細胞となってあなたの一部となるでしょう。つまりあなたのなかであたしは溶けてしまうんだ。ああ、あなたとひとつになれるなんてとても素敵。ねえねえ聞いてよだからあたしお花になりたいの



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