小説 | ナノ

▼ 悦び2

注意*R18、花宮がMで受け

「っふ、あ」

名前が花宮から降りて足の間に収まり、花宮のモノを片手で包むとビクッと動き声が聞こえた。

「感じちゃう?」

「…チッ」

図星なのだろうか、なにも答えずに舌打つだけだった。

「そんな顔しても怖くないよー」

ゆるゆると優しく包み上下にゆっくり動かすと花宮がシーツをぎゅっと握った。

「もっ、やめろ…!」

「ん?もっと?」

聞こえているのにわざと違うことを言って花宮を怒らせるのが名前は大好きである。
そのことを花宮は知らない。

「ちがっ、ああ!」

違う、そう言い終わる前に握るモノの先端を親指でくるくると触る。
すでに先端から溢れている透明の液体のおかげでぬるぬるする。
触っていなかったのも重なり花宮がよく反応した。

「んー?」

心底楽しそうに花宮に聞く名前はだんだんと握る手に力を入れる。

「やめろっ、もう…、」

名前が無視すると花宮は上半身を起こして自分のモノを握る名前の手を掴んだ。

「…痛い」

快感耐えるため思ったより強く名前の手を掴んだようだ。
こういうことをしているときに名前のやることなすことを否定するとすぐに不機嫌になる。
花宮はそんな名前にぞくぞくした。

「は、なせっ」

「それはこちらのセリフです真クン」

花宮にムカついたのかわざと丁寧な言葉遣いを使いながらモノの裏側を親指以外の指で強く擦りあげた。
男はここが1番感じるのだ。

「あ、くっ」

「もう出る?」

反対の手で花宮の太ももに手を添えると膝裏に手を通し片足を立たせる。
立たせた膝を手で引き寄せ自分の頭をくっつけ花宮を見上げた。

「ねえ?」

「うるせえ…」

「チッ…あっそ」

言うことを聞かない花宮に名前はイライラした。
素直に聞いてもらうのは別に嫌いではない。
だが好きでもない。
花宮が素直に人の言うことを聞いたら個性がなくなるしただのドMではないか。
それではつまらないのだ。
だからそのままでいてほしい。
名前は強く願った。

名前が心中でそんなことを考えているとは露知らず、花宮は名前を見つめた。

「名前…」

「真…」

花宮が縛られた腕に名前の首を通した。
首の後ろに腕を回して引き寄せ顔を近づける。
そのままお互い引き寄せられるようにキスをした。
深くて息が出来なくて溺れそうだ。

「っはぁ、ん」

名前が絡み合う唇の間から声を漏らすと花宮が笑う。

「ふはっ、お前も感じてるんだろ?」

「そうだよ」

唇を離してそう言うと、名前があっさり認めるので花宮は少なからず驚いた。

「真をいじめてるとぐっちょぐちょだよ」

「露骨なことを言うんじゃねえよ
それにいじめてるならやめろ」

花宮が眉をひそめて名前を睨んだ。
花宮はまだ首に回した腕を話さない。

「…じゃあ遊んでる?」

「あ?」

花宮が悪い顔をして笑うと名前がべえっと舌を出した。
その舌を花宮がべろりと舐めるとお互い口元を緩めた。

花宮が腕を自分の方に引き寄せ名前の耳に唇を寄せた。

「食っていいか」

いつもより深くて低い声が鼓膜を震わせた。
その声で熱くなった全身がさらに熱くなる。

「っまこ、と」

「…なあ?」

どこで花宮の加虐心を煽ったのか。
MからSへスイッチが切り替わったようだ。

「ふ、」

名前は少しの恐怖とそれを上回る大きな高揚感で震えた。

今までとは比べものにならないくらいのとろけるキスをした。
絡んだ舌から媚薬がしたたり落ちるような感覚を覚えた。
歯の列を花宮の舌がねっとりと徘徊する。
苦しいけれどそれが快感とわかる。

「あ、まこ…」

唾液が2人の顎を伝う。
そんなことは気にしていられなかった。
唇を離すと肩で息をする。
早く、もっとちょうだい。

「名前…」

花宮は名前の名前を呟きそのまま押し倒した。

夜は更ける。

(150319)
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