小説 | ナノ

▼ 悦び

注意*R18、花宮がMで受け

仰向けにベッドに寝っころがり本を読む花宮に近寄る。
花宮の手から本を取り上げポイ、とそこらへんに投げると花宮が眉を寄せた。
ボトッと後ろで音がして本が床に落ちたのがわかった。

「なにしてんだよ」

それを無視し花宮の腰にまたがり太ももで脇腹を締め付け胸に手を置く。

「食べていい?」

胸に置いた手に体重をかけると花宮の腹筋に力が入る。
花宮の筋肉や体温が手の平や太ももから伝わり温かい。
やはり男らしさを感じる。

こいつはなにを言ってやがる。

ますます眉を寄せる花宮に名前が問いかけた。

「ねえ」

「なん、だよ」

花宮の両腕を頭の上にひとまとめにしてベッドに片手で押し付ける。
空いた片手で顔すれすれをドンッと殴ると花宮が名前を睨む。

「なんのつもりだ」

「床 ド ン」

唇が触れてしまいそうな距離でそう言うと、はあ?と花宮が言う。
名前は流行りのものが好きだ。
「壁ドンや顎クイは昔から女の子の憧れ」
そう言ったのは名前だ。
なのにやられる方ではなくやる方とは、変わっている。
花宮は心の中でため息を吐いた。

「なんかムラムラするからちゅうしよっか」

ふふふ、と唇を深く口付ける。
逃げる花宮の舌を執拗に追いかけ絡めとると諦めたのか素直にディープキスをさせてくれた。

どちらのものだったかわからない唾液が花宮の口から漏れる。

花宮に乗る下半身に違和感が生まれ、なんだと思うがすぐに気がついた。

「…ああ、ちゅうだけで勃っちゃった?」

唇を一旦離し花宮の下唇を口に含みチュッと音を立てて離せば唇と唇の間に糸が引かれた。
名前が笑いながら唇の周りの唾液を手の甲で拭いそう言うと花宮は恨めしそうな目で名前を見上げた。

笑っていた名前が急に不機嫌になりいつもより低い声で問いながら花宮を見下す。

「…なに」

「別に、」

ふい、と花宮が顔をそらす。
口元を拭う姿も花宮を見下す目も色っぽい。
すべてが花宮を刺激した。
下半身に熱が集まるのがわかる。
それは、花宮の上に乗っている名前の下半身にも伝わっているだろう。

「しちゃう?」

なんの遠慮もなしににやにやと笑い腰を焦らしながらゆっくり動かす。

「ねえ?」

「っ名前」

やめろ、とは言わないのだ。
ただ目で訴えるだけ。
屈辱だけど言わない花宮は今どんな気持ちなのだろうか。

「していいの?」

「うるせえ、」

「答えは?」

答えを言ってよ、と名前が言う。
人差し指と中指で人間の足に見立て、花宮のへそあたりから上へと歩いてくる。
指が花宮の胸に着くと目的の頂きから少し遠くを円を描きながらトコトコと歩いた。

花宮がジッと名前を見つめると名前はふわっと微笑む。
こういう笑顔はとても可愛いのだ。
だからなにも言えない。
意地悪をするときの顔も可愛い。
だが決して俺はMではない。
そう強く否定した。

そう思いながら指が頂きに触れるのは今か今かと待つ。

「名前っ…」

まだか、とは言わずに名前を呼んで急かす。
そんな花宮をわかってかわかっていないのか、また柔らかく笑って花宮の唇を貪った。

「んっ、はぁ…」

「真くんやらしいなあ」

花宮が苦しそうな声を漏らした。

「じゃあ、服を脱ごうか」

名前がそう言葉を続け花宮の服を上までまくりあげた。
素肌がさらされ鳥肌が立つ。

「手邪魔だな…あ、いいもの発見」

花宮がなんだ、と言う前にズボンからベルトを外し花宮の両腕を縛り上げた。

「テメェ…!」

花宮が腕を動かすとベルトが擦れギチギチと鳴った。

露わになった肌をするりと撫でるとくすぐったいのか花宮が身をよじらせた。
乳首の周りを焦らすように舌で舐めると花宮がビクッと動く。

「っう、あ」

花宮から声が漏れる。
頭がとろけるように気持ちよくなった。
花宮が感じている。
にやにやが止まらない。

乳首にかじりついた。

「いっ…てぇ!取れるだろ!!」

「うっさいなあ
取られたいの?」

グッと花宮が唸り目に涙が溜まる。
強気な名前に興奮する。
もっと、もっと焦らして、強くして。

かじりついた乳首に吸い付き反対の乳首に爪を立てると花宮が快感に耐えるような顔をする。
吸ったり尖らせた舌で舐めたりやわやわと噛んだりして花宮をもてあそぶ。

「あぁ…名前っ」

花宮が縛られた手で名前の髪を掴んだ。
それに気づいた名前が顔をあげ睨んだ。

「なにすんの」

「はやくっ、」

「はいはい」

名前は仕方なさ気にズボンに手をかけた。
ジィ…とジッパーが音を立てる。
ズボンが盛り上がってジッパーがなかなか下がらない。

「ぅおりゃっ」

「…焦らしてんのか、」

「あはは」

勢いよくジッパーを下げればようやく開く。
窮屈そうにしていたモノが勃ち上がり主張した。

夜は深い。

(150316)
prev / next
[ Back to top ]


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -