×月3日(月)
今日から日記をつけようと思う。
ガラじゃねーけどこの嬉しさをどこかに書きとめたかった。
話す相手いねーから。
別に寂しくなんかないし。
寂しくなんかないし。

本題、今日からリョータと付き合う事になった。
まじで嬉しすぎるわ。
やっと俺のアプローチに首を縦に振ってくれた。
OKもらった時まじ叫びそうになった。
早く明日になんねーかな。



×月4日(火)
朝、いつもより早く家出てリョータ迎えに行ったら、アイツめっちゃ驚いてた。
驚いた顔も可愛かった。
でも、『ショーゴ君、そういうことする人だったんだ。…ぶふっ』って吹き出して挙げ句の果てに大笑いしやがった。
ベタで悪かったな。
こっちはお前が出てくるまで心臓止まりそうなほどドキドキしてたってゆーのに。
ホントこいつキセキ以外の前(俺の前)だと態度可愛くねー。



×月5日(水)
俺今日死ぬかと思った。
リョータと付き合いだしたのキセキの奴らにバレた。
俺が殺されるからリョータにもあいつらには言うなって言っといたのに。
どこから漏れたってゆうんだ。
あ。
赤司。
あいつか。
今日はどうにか生き延びたけど、明日はどうだろうか…。



×月6日(木)
今日もどうにか生き延びた。
やべえよあいつらの目。
マジで怖えよ。
本気で俺の息の根止めようとしてる。
特に赤司。
ハサミとかまじで。
死ぬ。



×月7日(金)
キセキに殺されかけてるのをリョータに愚痴ったら、『いくらなんでも皆そんな酷いことしないっスよ。夢でも見たんじゃないの?』とか言いやがった。
お前は恋人の俺よりキセキの奴らを信じるってのか。

まぁ、知ってたけど。
キセキがリョータクラスタなように、リョータもキセキクラスタだし。
別に寂しくなんか…。



×月8日(土)
土曜でリョータ部活も仕事もないらしいからデートすることになった。
なにげ初デートじゃね?
ちょっと服とかいつもより気合いれてキメキメで行った。
でもリョータの隣に並ぶと俺カスだわ。
モデルだし、少し思ってたけど、まさかここまでとは。
キラキラしすぎてんだよ。
お前イケメンすぎんのにしかも服までキメてくんじゃねーよ。
隣歩いてる俺公開処刑じゃねーか。
くそ。
でもそんなイケメンリョータも可愛い。
私服とか滅多に見れねーし。

意外と楽しい一日だった。



×月9日(日)
一日寝て過ごした。
日曜とかすることなさすぎるわ。
ボッチ乙。



×月10日(月)
擦った。
ハサミが俺の頬に擦った。
ダイキが投げたザリガニのハサミが頬擦った。
皮膚少し切れた。
もう家に居るのにまだ動機が収まんねー。
なんでザリガニなんだよ。
なあなんで?
ダイキザリガニ持って追っかけてくんだけど。
めっちゃ馬鹿馬鹿しいはずなのにめっちゃ怖ーんだけど。



×月11日(火)
テツヤの地味な攻撃が心に響いた。
バキッてガラスの割れたような音が胸から聞こえたのは気のせいか。
あいつの俺を見る時の、ボロボロのすっげえ臭い雑巾を見るような目はまあ今回はよしとする。
だが上履きを水浸しにしたり画鋲が入ってたり椅子にも画鋲が大量に置いてあったり。
これ本格的なイジメだろ。
真面目なイジメだろ。
心折れるわ。



×月12日(水)
紫原がめっちゃ俺の頭を鷲掴みするんだけど。
めっちゃ頭ギリギリ言ってんだけど。
めっちゃ痛いんだけど。
痛いんだけど。



×月13日(木)
まさか緑間にまでイジメられるとは思わなかった。
話しかけても無視される。
めげずに話しかけても無視される。
それでもしつこく話しかけたら『俺の視界から今すぐ消えろ。でなければそのウザったい白髪バリカンで剃るぞ』ってすごい形相で言われた。
しかも本当に手にバリカン持ってたからビクって逃げたわ。
おは朝?のラッキーアイテムだったんだってさ。(リョータ情報)



×月14日(金)
よくやった!!!
よく生きた!!!
俺すげえ!!
赤司から間一髪逃げられた!!
でも制服ボロボロ!!
体中傷だらけ!!!
なんか今日一日ずっと恐怖だったからなんか今めっちゃテンションおかしいわ!!!

もう学校行きたくねー。



×月15日(土)
一日引きこもってた。
リョータは部活らしい。



×月16日(日)
一日引きこもってた。
リョータは仕事らしい。



×月17日(月)
なんか色々怖くて学校行かなかった。
あいつら怖すぎるんだよちくしょう。
恋人なら普通、心配してメールか電話くれるはずなのに、リョータから何もこなかった。
ちょっと今ナーバスだわ。



×月18日(火)
今日も行かなかった。
なのにまた連絡こなかった。

あいつ俺のこと好きなの?



×月19日(水)
俺は今日も自室から出なかった。
連絡がこないのはもう分かった。
リョータは俺のこと好きじゃないんだな。
俺がしつこいから付き合ってやっただけなんだ。



×月20日(木)
引きこもり生活6日目。
世界はなんて残酷なのだろう。
俺は今ひしひしとそのことが身に染みている。
神なんかいない。
いるのはハサミとザリガニとメガネとバニラシェイクとまいう棒とデルモだけだ。

デルモ…。
もう6日も会ってない。



×月21日(金)
変わらず引きこもり続行中。



×月22日(土)
今日朝からリョータが家に来た。
約束なんかしてなかったから驚いた。
ズカズカ俺の部屋に上がってきたリョータに頬叩かれたわ。
その後めっちゃ怒ってる顔で『なに無断で学校休んでんだよ!体調崩したのかとかめちゃくちゃ心配したんだかんな!!』って言われた。
心配してくれてたのか。
で、何も言わずにリョータの顔見てたら急に泣き出した。
『…学校来てよ。一週間、一人で寂しかったんだからな…。ショーゴ君のバカ』
泣きながらそんなこと言うとか可愛すぎてドストライクすぎて思わず押し倒したし。
少しも抵抗しねーからいいのか聞いたら、『お互い、好きあってるんだしいいに決まってる…っス』顔真っ赤にしながら言うなよ。
ホント可愛すぎんだよ。
まじ限界だわ。
最中も相変わらずの可愛さ。

今日文長えな。
日記こんなに続くと思ってなかったわ。
正直。



×月23日(日)
朝起きたら隣にリョータが居て幸せだった。
寝顔も可愛い。
この頃可愛いしか書いてない気がする。
だってしょーがない。
可愛いんだから。
あ、自分で書いててキメーって思ったわ。

夜までゲームとかして遊んで、夜に帰っていった。
明日は来てよね、最後に言われた。
もちろん行くにきまってる。
もうキセキなんか怖くねーし。



×月24日(月)
家出たら玄関にリョータが居た。
待っててくれたらしい。
朝練ないから一緒に行こう、だって。
可愛い。

驚いたことに、今日はキセキに何もされなかった。
つーか、俺見ると逃げるようにどっか行くんだけど。
俺あいつらになんかしたっけ?



×月25日(火)
やっぱり今日も何もしてこなかった。
リョータと昼飯一緒に食べてる時、目の前を多分偶然赤司が通ったのに、何も言われなかった。
いつもならすぐにでもハサミが飛んできたり、睨まれたりしてたのに。
ホント俺なんかした?



×月26日(水)
何もなさすぎて逆に怖くなってきたからリョータに聞いてみたら、知らないけど、って言われた。
すげー笑顔で。
そういえばリョータ今週入ってからキセキと話してるとこ見てねーな。



×月27日(木)
勇気出して恐る恐る赤司に声かけた。
めっちゃ不機嫌そうな顔で振り向かれたから、何で嫌がらせやめたんだよ?って聞いたら、予想外の答えが返ってきた。
『涼太に怒られたんだよ。「これ以上ショーゴ君イジメたら、俺黙ってないっスから。いくら皆でも限度ってもんがあるっスよ?俺の恋人って皆知ってるっスよね?当分皆と口聞かないっス」って。涼太本当に話してくれなくなったんだよ。お前の所為だ灰崎』

まさかリョータがあいつらに言ってくれてたなんて思わなかった。
しかも恋人って言った。
マジで嬉しいわ。
帰りリョータにお礼言った。
なんのこと?ってトボケてた。



×月28日(金)
明日デートしよう、ってリョータに誘われた。
もちろんOKしたけど。
楽しみすぎる。



×月29日(土)
デートはショッピングした。
リョータが俺の服見立ててくれた。
さすがデルモ。
センス良すぎるわ。
その他にも色々行った。
とにかく楽しかった。



×月30日(日)
久しぶりに引きこもった。
やることねーわ安定の日曜。

あー、日記書くのさすがに飽きてきたな。



×月31日(月)
今日もリョータ可愛かった。
それだけ。

日記、今日でつけんのやめるわ。
三日坊主の俺が一カ月ももった。
すげー快挙。
またなんかあったら日記付け始めるかもな。
まあ、ねーと思うけど。



─END─

戻る

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -