水色少女日和 | ナノ





第8話 磯貝な時間





朝おきたら隣にいたのはやっぱりドアップの悠くんでした。


…綺麗な寝顔。


あ、そうだ。



私は近くに置いていたスマホをとり、サイレントカメラを使用した。


…よし。


私のスマホの画面に映るのはさっきの悠くん。


それから少しの間、スマホでメールを返したりなど時間を潰してから私は学校の支度を始めるのであった。



なんというか、磯貝家の朝はばたばたしていた。

まぁ双子ちゃんが特にいうことをきかなくてみんな困っているみたいだったけど。


それも落ち着いたと思ったら私たちはともに学校に向かうのであった。





第 話



「お。磯貝じゃん。おはよー」


私と悠くんが話しながら学校に向かっていると聞きなれた声がして、目の前に前原くんが現れるのであった。


「って繭ちゃんやっぱ足大丈夫じゃなかったんだ」


「あーうん。まぁ一週間くらい歩くの禁止って言われただけなんだけどね。」


「ふーん。…っていうか、ふたりが一緒ってことはもしかしてお泊りですか?」


そう言ってる前原くんはすごくニヤニヤしてた。


「まぁこのけがじゃ、家に一人っていうのはいろいろ心配だろ?」


「そうそう。だから悠くんがおうちに上げてくれたの。」


「ふーん。」


前原くんは終始にやにやしていた。


そして中学についたのはいいものの、問題はE組までの山道にあった。


とりあえず前原くんが車椅子を今日は本校舎の保健室に預けてきれくれて私はそこからゆうくんにおんぶをしてもらうのであった。


「ほら、磯貝かばんかせよ。」


「さんきゅ。…よいしょ。」


…こんなことになるのならダイエットしておけばよかった。




結局悠くんはE組までおぶってくれるのであった。


「おはようございます、前原さん、磯貝さん、繭さん。

朝から刺激的なお姿ですね。」


そう言って律が現れた。


悠くんが下ろしてくれたのはいつもの私の席。


そして前原くんは悠くん、自分の席にそれぞれカバンをおいてくると悠くんは菅谷くん、前原くんは奥田さんの席からそれぞれ椅子を持ってきて私の席に集まるのであった。



それからみんなが来るまで私たちの話は終わらないのであった。


「おはよーって繭はっけーーーん」


そう言いながら走ってくるのはやっぱりこの人で。


「ひなちゃんおはよー。」


「もういいの?足はー?」


「うん。一週間くらいこんな調子かな。」


「へぇー」


やっぱりにやにやしているひなちゃん。


その後渚やカエデちゃんも心配して様子を見に来てくれるのであった。


「そういえば繭。なんかいいことあったー?」


「え?どうして渚?」


「だっていつもより楽しそうだったよきのう!」


「なーんだ、やっぱりわかっちゃうんだ」


「ふふ。今更何言ってんの。」


「あのねー!」


そう言って私は昨日のことを渚に話し始めた。


悠くんのおうちのこと、今日の出来事もう夢中になって話すものだから、目の前に悠くんがいることもちょっと忘れていたし、それに気づけば周りにいっぱいの人がいるのも見えていなかった。


「きゃー」
「いいなー。」
「ってことは繭もやっとヤっちゃったの?」

女子からは悲鳴が上がったりしたものの、…って誰だ最後の。


「おいっ」


「あ、でもひな。昨日はなさそうよ。


…だって跡が全くないんですもの。」


そういったのは不破ちゃんだろうか。


「あらほんと。…けど、よく磯貝も我慢できるよね。」


今度は莉桜ちゃんなんだけど、莉桜ちゃんは遠慮なくシャツに手をかけたと思ったらそのまま開けていき挙げ句の果てに少し前をはだけさせるのだからびっくりした。


「いや、別に…」


「えー磯貝くんと付き合って結構長いんじゃないの?」


「まぁ2年くらいには…」


「なのにまだしてないとか!」



…このままこの話は終わるのだろうか。


「いや、繭ならもう終わってるよ。」


そういったのは…彼だった。


「だってその報告のメール僕に送ってきてたし。」


「そういえば渚に送ったような気がする。」


「「「えー」」」



そう確か渚とメールをしてた日に私の家で初めてが終わったんじゃなかったっけな。


「…もういいだろ。」


やっと思い出したけど目の前にいた悠くんは顔がすごく赤かった。


「ねぇねぇ磯貝くんってやっぱはげしいの?」


「えっと…」


「あーもう。ちょっとこい!」


「え。」


歩けない私をいいことに悠くんはいきなりたったかと思うと私を姫抱きにしてクラスを出ていくのであった。



「あーあ磯貝きっと夜大変だな。」


「前原…」


「っていうか本当にイジリがいあるよね。あのカップル。」


「確かに…っていうか本当に渚たち仲いいよね。」


「まぁ双子だしね。なんとなく思ってることってわかっちゃうんだよ。」


「さてあいつらいつ戻ってくるかな。」


「さぁ?」



私たちは知らない。


教室でこんな話がされていたなんて。




「もう黙れよ。」


「はぅ…ん。」



結局あのあと先生が来るまでには戻ったものの、


その日の夜私が声を上げないようにするに必死だったのは言うまでもなく。


さらに言うと次の日、ありえないくらいの跡をみてクラスメートからお疲れ様ですなんて言われたのも言うまでもないことであった。



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