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第2話 修学旅行の時間




第2話 修学旅行の時間



いきなりですが私は今旧校舎…まぁ本校者とは違う別校舎への道を歩いております。


そう、今日から私E組なんです。




その頃、E組はというと…


みんな来週の修学旅行の班決めなどで忙しそうにしていた。



だからみんなはまだ知らない。





旧校舎についた私を待っていたのは烏間先生という全校集会の時にいたスーツの先生と、イエーラ先生という美人のお姉さんだった。


「まぁやつの説明に関してはこんな感じだが…なにか質問はあるか?」


と、こんな感じで銃と剣を渡されやつとかいうターゲットの説明をされているのだった。


「質問と言われましても…?」

…とりあえず何箇所か突っ込ませて欲しい。


「まぁどんな奴かは会ってみたらわかる。」


「は、はぁ。」




その言葉の意味は後に分かるのだった。


まぁ一言で言うならとにかく早いタコだった。



「では桜井さん。教室へ向かいましょうか。生徒たちもきっと君のことを喜んでくれますよ。」


そして私はこのよくわからない先生と一緒にクラスへと向かうのだった。





「と、いうことで今日からE組の生徒となる桜井さんです。」


「よろしくお願いします。」


挨拶は普通に笑顔で。なんてそんなのいつもどおり。





ちらっとクラス全体を見てみるとなんとなく知ってる人が何人か、全く知らない人がほぼ全体を占めていた。



また唯一の知り合いは私のことを相当驚いた様子で見ているのだった。



このクラスで渚は一体何を見つけたんだろうか。


まぁなんとなく予想はつくのだけど。





あれから私は奥田さんという女の子の後ろの席を与えてもらい、授業が始まっていくのだった。





あ、あとついでにひとつだけ言っておこう。



この先生、なにげに教えるのうまい。





「やっぱりきたんだね、繭」


休み時間になってまず私の前に現れたのはやっぱり渚だった。



「だってつまんないんだもん。」

だってあのクラスのみんなが興味あるのは成績だけ。


「はぁー。だと思った。」


やっぱり渚はなんとなく思ってたみたい。



「まぁいいや。またよろしくね、繭」


「えへへー。うん!」


そう言って私たちは笑う合う。



その笑顔にどんなことが隠されているかなんて誰にも分からずに。





それからというものの、渚との話が一段落したところでクラスのみんなが自己紹介をしてくれるのであった。



片岡さん、磯貝くん、前原くん、中村さん…とまぁ一気に覚えられるはずも無く、私が混乱していたのは言うまでもない。






修学旅行の少し前に来たものだったから私の班は先生の計らいなのかわかないが学級委員のふたりがいる1班となった。



「よろしくね、桜井さん。」

「うん!」


確かに学級委員なだけあって面倒見が良さそうなグループだ。


そんな班での先生の暗殺は失敗に終わったが、久しぶりにあのことを忘れられてゆっくりとした時間を過ごせるのであった。





みんながお風呂に入ったあのあと、渚たち4班はみんなでゲームセンターにいると聞いたのでちょっと様子を見に行ってみることにした。


そこで見たのは神崎さん…だったような子のゲーム姿だった。



なんか表情と手の動きが全然違う…




「あれ?繭ちゃんお風呂まだ入ってなかったの?」

そう私に聞いてきたのは緑の髪の…えっと


「茅野さん?だよね?」

「あ、カエデでいいよー。」

「じゃあカエデちゃん。

うん。なんかタイミング逃しちゃって。」


…ウソ。


「あ、そうなんですか?けど早く入らないと閉まってしまうような気がするんですけど…」


今度は確か…

「え、まじ?…やっぱり急いで行ったほうがいいよね。」



…もう今だったら誰もいないのだろうか。



「そーだよ、桜井さん早く行かなきゃ。」


…とりあえず見に行ってみるか。


「うんとりあえず行ってみる!ありがとね!」


そして私は用意を持ってお風呂場へと向かうのであった。





ぽちゃん



予想通り誰もいない女湯



隣の男湯が騒がしいのはきっとさっきちらっと見えた殺せんせーの服が関係しているのであろう。




なんて思いながら私は湯船に浸かる。



本当に今誰もいなくてよかった。



「はぁーあ。さっさと洗ってしまおう。」



そういい立ち上がった私の姿がお風呂に設置された鏡に映る。




そこに映った私はすごく醜い。



だって全身アザだらけなのだから。





こんな姿誰にも見せられない。




その姿から逃げるように私は髪をさっさと洗い、風呂場から立ち去るのであった。






きちんと髪も乾かさず風呂場から出るとなぜかそこに渚が待っていた。


「なぁに?どうしたの?」


…渚にはバレてるのだろうか。



「やっぱりまだ暴力は続いているみたいだね。」


…あー、やっぱり。


「それは渚だって同じでしょ?」



そう言うと渚は黙り込んでしまった。



所詮私たちはまだ子供なんだ。


なんて思っていると


右手が引っ張られる感覚と気づけば渚のお風呂上がりの匂いが近くでしているのを感じた。



「…髪乾かしてないから濡れるよ?」


「いいよ別に。それくらいならすぐ乾くから。」



うつむいているから渚の表情はわからない。



けど、今は渚の匂いに酔っていたくて私も渚の肩に顔をうずくめるのであった。

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