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第1話 集会の時間




第1話 集会の時間

僕たちが通う椚ヶ丘中学校にはAからDのクラスの他に別校舎にあるE組…通称エンドのE組というものがある。


そこで僕らは生徒であると同時に殺し屋でもあり、


ターゲットは先生。


まぁ、この先生…殺せんせーのことは軍事機密であるからこのことはE組生徒と2人の先生しか知らないことなんだけど。



そんな殺せんせーと僕らの暗殺教室で


始業のベルは今日も鳴る。



でもって今日は月に一度の全校集会だ。



E組はあの別校舎から移動するのはもちろん、全校生徒そして先生からの特別待遇に長々と耐えなければならない。






…そういえばあれから会ってないけど、あいつは元気なんだろうか。





「渚く〜ん」

そうしているうちに見知った顔が現れ、僕らに話しかけては見下していくのだった。


「はぁ…」
「なんか毎回しんどいよな。」
「まぁね。」


本当に早く終わってはくれないだろうか。


しかし、まだまだ生徒は集まってはくれない。



「なぁ渚。帰ったらさぁー 「渚。」…?」


クラスメートと話していたら久しぶりに聞く声が隣からしてきた。
僕はゆっくりと声の主に振り返った。



「久しぶり、渚。」

そう言って笑った彼女はあの頃から何も変わってなどいなかった。



「久しぶりだね、繭。元気だった?」


だから僕もできるだけそうしようと思った。


「元気だよ。私も…お父さんも。

なんにも変わってない。」


そういった彼女…繭は相変わらず笑っている。

「渚のところは…お元気?」


繭が僕のことを少し聞きにくそうにしていたのはきっと見間違いではないはず。


「元気だよ。相変わらず。」


そうあの時からなんにも変わっていない。


「けど渚はなんか変わったね!」

目の前の繭はさっきと一変して嬉しそう。


「え?そう?」

僕の周りで何か変わったことなんてあっただろうか。


「うん!前よりなんか楽しそう!
きっとなんかいいことあったんだろうなぁって思うんだ。」


それはきっと…


「いつか話せる時が来たら言うね。」


「うん!」


あのタコ型先生のおかげだろうか。




その会話をしたあと繭は僕の前から去って自分のクラスへ戻っていった。






「なぁ渚。今のって?」
「あー幼馴染で…」
「E組と関わってあの子大丈夫なの?」
「僕に関わるなっていったんだけどね。」






嫌味たっぷりの全校集会が終わってしばらくして中間テストが行われた。



殺せんせーが僕たち全員にマンツーマンの指導をしてくれたにもかかわらず理事長の自分の主義のためにそれはあまり意味をなさなかった。



しかし、その中間テストで一人の生徒の運命が変わった。




国語…15
数学…20
英語…18
理科…30
社会…12

合計 95点  桜井 繭


明日より特別強化クラスへの移動が決定しました。


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