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第7話 策謀の時間




第7話 策謀の時間


夏休みに入り、渚は杉野くんと早朝から学校へ行ったりとそれぞれがおもいもいの時間を過ごしていた。


そんな夏休みもいよいよあの南の島へいく1週間前になり、今日は当日の暗殺の計画と訓練のために全員学校へ集まるのであった。


「おはよー」
「おはよー!」

半袖に半パン。半袖に長ズボン。
それぞれ自分の訓練しやすい格好で訓練に挑む中、私だけは少し違った。


「桜井さん。それあつくないー?」
「あ、本当だ。長袖って倒れちゃうよ?」


「大丈夫大丈夫。いつもこの格好だから!」

そうは言ってみるものの、クラスメートからの視線は痛い。

「まぁしんどくなったらいいなよ?」

「そうそう。倒れちゃったら旅行行けないからね!」

「はーい!」




そういう感じで始まった訓練。

今回はビッチ先生の師匠でもある人が特別講習として教えてくれるらしいんだけど…

「あれ誰?」

私は知らないなぁ。


「あ、そっか。繭は確か中間テストから来たんだったよね。あれがビッチ先生の師匠のロヴロさん。」

「へぇー。本職ってわけか。」

「そう。…あ、次繭が射的練習みたいだよ。」

「はーい。」


渚にロヴロさんについて教えてもらったあと、私は射的練習へと入った。


その間にみんなはロヴロさんと計画について話している。


最初は精神攻撃をして、動揺させてから千葉くんと速水さんが仕留めるという計画だ。


きっとこれなら上手くいく。



みんなが思うことは一緒だった。




まぁその間にも数名は射撃練習をしていたのだけど、



「…うまくいかないなぁ。」



ほかのみんながどんどん命中する中、一人だけあまり命中できないでいるのだった。



ロ「そういえば君は前にはいなかったな。」



…いきなり背後からした声と気配。



「…イリーナ先生の師匠さんでしたよね?」


さすが、プロの暗殺者だというのだろうか…なんかほかの人とは違う。



「ロヴロだ。…君はライフルは苦手だな?」


「…そうですね。どちらかというと近距離でのナイフの方がいいような気がします。」


そういうと何かを考え込むようにしたロヴロさん。


「ほう。…イリーナ」


そしてイリーナ先生を呼んだ。


「は、はい。」


…呼ばれたイリーナ先生は少しびっくりしていたみたいだけど。



「イリーナ、少し銃を貸してくれないか?」


…一体何をするのだろうか。



「でも、先生。私の銃は実弾が入ってるものしか…」


「それでいい。」



ロヴロさんが何をするのかみんな気になっていたのだろう。


いつの間にか作戦会議をしていた生徒も含め全員がロヴロさんを注目するようになっていた。



「では少女よ、これを使ってやってみなさい。」


そして私に渡されたのはイリーナ先生の実弾入りの銃だった。




「実弾だって!」
「えー。」



「ちょっと先生!いくらなんでも実弾入りのそれじゃあ…」



「いや、大丈夫だ。」



生徒みんなが驚く中、先生たちはまるでなにかを試しているかのように静かだった。




「これであの風船を撃ったらいいんですよね?」



「あぁそうだ。…そうだな、なんなら殺気でも込めてでもいいが。」




…殺気か。



「じゃあ、そうさせてもらいます。」



私はそうロヴロさんに笑った。



そして私はふらふらしている風船に向かって構えた。



「…」




誰も言葉を発せない静かな時間。




そして私は殺気を込めて弾丸を発射するのであった。





「これで大丈夫ですか?」


私は聞く。


「すっげ。」
「うん」


驚く生徒たち。



「…ふ。やっぱりな。」


その中でもロヴロさんは納得した模様。




「…繭。あんた…」


イリーナ先生。


「…あぁ。なんというか」


烏間先生。




「…一瞬でそこまでの殺気が出せるなんて。すばらしいな。」



「そんなものですか?」



「あぁ。それにライフルではほぼ当てることができなかった的を今度はすべて当てるなんて。」



…すごいのだろうか。





「烏間先生。このクラスは優秀な生徒が多いようで安心した。」



帰り際、ロヴロさんは烏間先生にこういってかえっていったらしい。





もちろん渚にある必殺技も教えて。






こうして迎えた沖縄旅行。



はたして暗殺は成功するのだろうか。。


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