町のこちら側からあちら側に渡る橋があったの。新品の鉄の橋。夏の太陽に照らされて輝く緑色のペンキで、その橋は塗られていたのですって。チーム・リーダーの錬金術師は、鉄道や道路、そして川が、この航海にとってとても重要だと、いつも語っていたの。
 疾走するバンの窓から確認できたその町の姿は、おおよそこのようなものだった。橋を渡ったはるか彼方に何かとてつもなく高い建築物が見えたような気もしたけれど、そのあたりには季節はずれの濃い霧がかかっていて確認できなかったという記録が残っているわ。
 そしてひとりの少年が、その橋のたもとに、遠くを見る目付きで立っていました。黒いズボンに白い半袖のシャツ。そのボタンを一番上までかけて。小柄で色白の、おとなしそうな少年。彼のその時の言葉は以下の通り。
 「大丈夫です。僕は道に迷っているんじゃありません。ぼくは橋を見学して歩いているんです。
 いろんな橋を見ました。
 『帝都』の繁華街では『構成主義の橋・展』というのを見ました。会場になっていたのは書店の二階ギャラリーでした。大通りに面した一階が店で、間口の両側が高い本棚になっていて天井まで新しい本が並んでいました。
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