このSENACと同じものを作れと命じられた浜田は、工場に残されたぼろぼろの設計図を開いて頭を抱え込んだ。A1サイズの大きな図面用紙を何枚も貼り合わせ、数十メートルの巨大な巻物とされた設計図をたどっていくと、ところどころに読めない箇所があった。手元にあるものはもとの図面からとった青焼きコピーだったが、原図が何度も消しゴムで訂正されているらしく、さっぱり判読できなかった。未完成のまま納入され、仙台で手直しを繰り返しただけに、図面上には論理の誤りもかなり残されていた。
 石井の指導を受けながら悪戦苦闘の末に仕上げたマシンは、NEAC―1103と名付けられてようやく納入にこぎ着けた。
 
 一九五〇年代から手探りで電子計算機への取り組みを始めた日本のメーカーは、その後、本格的な事業の展開を目指して次のステップに踏み出そうとしたとたんにIBMの壁に直面させられた。
蕨市 歯医者
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