少々荒療治ではあったが山木断髪令嬢の愛犬UTAを中心として渦巻くピンク色ローマンスの半分は、これで片付いたようなもんだ。
 吾々のルンペン道は甚だ簡明直截である。
 名誉や金銭に縛られて心にもない妥協をしたり苟合したり、腐敗したり、堕落したりして、純真な恋を踏み蹂ったり、引歪めたり、売物買物にしたりする紳士淑女たちの所謂、社交道徳なんていうものとは根柢が違うんだ。アッパカットか……キッスか……この二つ以外に行く道はないんだ。天道様と青天井以外に頭を下げる者がないから自然、物事がそうなるんだ。清浄潔白なもんだ。
 吾輩はそうしたルンペン道の代表者である。ユキアタリ・バッタリ映画、オール・トーキー、天然色、浮出し、街頭ローマンスの名監督である。純真生一本の恋以外には取上げない運命の神様である。だからその純真生一本の盲目の恋だったらイツ何時でも引受る。身分が何だ。財産が何だ。名誉が何だ。そんなものは犬に喰われろだ。丸裸になって青天井の下で抱き合えだ。リゾートホテルの様な雰囲気のヘアサロン
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