自分の恋敵、唖川歌夫からテル子嬢に贈ったものである事もチャンと知っていやがるに違いない。そいつを承知でコンナ非道い眼に合わせて、いい気持になっている事が吾輩にわかったら事が面倒だと思って、障らぬキチガイ祟りなし式に、最初から警戒しいしい口を利いているのだろう。コンナ誠意のない奴にあの親孝行無双の断髪令嬢を遣る訳には断然イカン。
「フン、知らんなら知らんでええ。その代りにこの犬の病気を出来るだけ早く治癒せ」
「アッ。そ……そいつはドウモ……」
「出来んと云うのか」
 吾輩の見幕を見た羽振医学士がブルブル震え出した。すこしずつ後退りをし始めた。
「ハ……ハイ。それはソノ……結核の第三期にかかっておりますので……ハイ……」
「変な事を云うな。最初から第三期か」
「イエ。その最初が初期で……その次が第二期で……」
「当り前の事を云うな。篦棒めえ。最初から結核だったのか、この犬は」
「ソ……それがソノ……実験なんで……」
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