02 ※※※ 「出来たよー」 大鍋をよたよたしながらリビングに運ぶと、三之助が歓声を上げた。 「三之助、カセットコンロ火入れて」 「ほいきた」 「七味どこ要ー?」 「七味なら買ってきたから袋のなかだ。これこれ。ほら数馬」 「ありがと孫兵」 七味と器を並べて、カセットコンロの火も入る。藤内がチャンネルを歌合戦に変えながら問う。 「要、蕎麦は?」 「作兵衛と左門が茹でてるよ。作兵衛ー?」 台所の作兵衛を呼んだが出て来たのは左門だけだった。そのまま、僕に抱きつく。 「今出来るぞー!」 「あれ、左門。作兵衛は?」 「っしゃあぁあ!アルデンテだ!茹で上がったぞ!」 続いて作兵衛が誇らしげにザルを持ってきた。 「アルデンテって……蕎麦を?おいしいの?それ?」 「っに言ってんだよ要。麺は何でもアルデンテが良いんだよ多分な」 「多分……」 「席につけ。食べるぞ」 孫兵の一言でみんなガヤガヤと席についた。手を合わせろーと手を合わせた瞬間。 【10!9!8!7!】 「えっ!?カウントダウン!?カウントダウン始まった!?」 「まだ蕎麦食べてないぞ三之助!」 「案ずるな左門あと6秒ある!」 「足りねぇよ!」 【4!3!】 「わわわわわぁああ!」 「あー数馬のオレンジジュースが……」 【2!1!】 「ん、明けたな。じゃーいただきます」 「あはは、ぐだぐだだなぁ」 僕はくすくす笑いながら、いただきますと手を合わせた。 「今年も、よろしくお願いします」 Happy New Year! * サイトを始めてからもうすぐ一年になりましょうか!訪問して下さる皆様、コメント下さる皆様、応援して下さる皆様!いつもありがとうございます! 今年もよろしくお願いします。 ヤマネコ ※ブラウザバックでお戻りください。 |