2222! 2222hit!るらら連載主。ネコミミ生えてますのでご注意を! 「長次長次長次!」 「?」 文次郎と鍛錬に行ったはずの小平太がばたばたと部屋に戻ってきた。私もちょうど委員会を切り上げてきたところで、タイミングが良いなと呑気なことを考えながら振り向くと。 「中在家せんぱぁい…」 ぽろぽろと涙を流しながら、今夜の委員会を体調不良で休んだはずの後輩。要が小平太に抱えられていた。 その頭に、獣の耳を生やして。 2222! (山尾。さまへ!) 「みてみて!可愛いだろ!要だぞ!これ!」 「…」 「離してくださいよ七松先輩!痛いです…!」 「小平太…離してやれ…」 「うん!」 ボテッと要を床に離すと、なぜか小平太はピシャッと障子を閉めてしまった。それにすかさず要が「なんで閉めるんですか!?」と抗議の声を上げる。 「なんでって。開けといたら逃げるだろ?」 「に、逃げませんよ!」 「要、おいで」 「えっ…」 畳の上に胡座をかいて、小平太が両手を広げて要を膝に招く。渋っていたが先輩の言うことには逆らえないと思ったのか、要はおそるおそる小平太の前に正座した。 「なーなー長次。これなんだろな?」 「ぃひゃっ…!?さ、触らないで下さいよ…!」 「…」 「中在家先輩?」 耳を触られて抵抗する要の横に腰を下ろす。すると不思議そうに首をかしげる要と小平太。 「…猫」 「え?」 「なんだー?猫ってー?」 「猫の耳に…似ている」 「あー!そうかも!言われてみれば!」 「要をどこから連れてきたんだ…?」 「草むら!どうしようどうしようって言ってるのを、可愛かったから連れてきた!」 曇りのない顔で笑いながら、わしゃわしゃと要の頭を撫でる小平太は「猫かー猫かー」と繰り返している。 「猫といえば!炬燵だな!」 「…今は夏ですよ」 「え?そうだっけ?まぁ、細かいことは気にするな!炬燵が無いから、ハンテンな!ぎゅー!」 「うわあああ暑いですうう!離してええ!」 「…よく出来ている」 要の獣耳を眺めながら感心して頷く。そういえば、どこかにあれが… 「耳は嫌なのか?」 「く、くすぐったいんですよ!」 「へー?」 「あっ…!?七松せんぱ…っ…僕の話聞いて…!」 「要」 引き出しから"あれ"を取り出して要の名前を呼ぶと、要を膝に置いて耳で遊んでいた小平太が「あーそれ!」と声を上げた。 「マタタビ!」 「!」 ぴくん、と小さく要が反応した。やはり猫の耳だったのかと頷く。 「…これ、欲しいか?」 「い、要らない…です…」 口ではそう言いながらも耳がピクピクと動いている。鼻もすんすん、とマタタビに興味を示しているようだった。 「あげる」 「…っ…あ、ありがとうございます…」 おずおずとマタタビの苗木を受け取ったのと、要の表情がふにゃんと歪んだのは同時だった。 「おおー!やっぱり猫なんだな!ほーら、マタタビだぞ要ー」 小平太が要の手からマタタビを取って、猫じゃらしを使うように要の顔の前で揺らす。 「マタタビって…なんか変な気分になりますねぇ…」 「んー?そうかー?ふふ、顔が真っ赤だぞー要ー」 「…にゃぁ…」 「長次!私これ飼いたい!!」 「…」 ぎゅうううと要を抱きしめて、これまた子犬のような目で私をみる小平太。私はため息をついてとりあえず布団を敷くことにした。 「布団を敷くぞ…小平太…」 「布団…?あ、あ、僕も手伝います!」 マタタビの誘惑から我に返った要が小平太の腕をすり抜けると、慌てて私の元に走ってくる。言葉に甘えて枕を預けると頼られたことが嬉しいのか、またふにゃんと笑った。 「(普段から表情を作るところがあるが…マタタビのせいか柔らかくなってる)」 「七松先輩の布団はどれですか?」 「これだ!」 「小平太…引っ張ったら駄目だ…」 「あ、要!衝立は要らないぞ!」 「え?」 枕を置いて、衝立を動かそうとしていた要が首をかしげて止まる。小平太は私の布団と自分の布団を引っ張り出して、くっつけた。 「今日はみんなで寝よう!な!長次!」 「小平太…」 「要、部屋に戻れなくて困ってたんだろ?なら今日は私たちの部屋で寝ればいい!」 「七松先輩…!」 本当に困っていたらしい。ぶわぁっと目に涙を浮かべて、要が小平太に飛びついた。 「うわぁああ!くのたまの子に渡されたお菓子を食べたらっ…いきなり苦しくなって…!それでっ…」 「そうかそうか!でもこの耳も可愛くて似合ってるぞ!」 「嬉しくないですからぁ!」 「さー真ん中に寝ろ要!長次はやくはやく!」 にゃにゃにゃにゃ! (昨夜は本当にご迷惑を…)(いやぁいいって!楽しかったし!な、長次!)(こくん)(恥ずかしすぎてきえたい…) * しょーもねぇ… 2222!ということでいつも山尾。さんにはコメントで元気をもらっています。ありがとうございます。押し付けですが!楽しんでいただければ! ヤマネコ ※ブラウザバックでお戻りください。 |