養い隊シリーズ

※※火薬委員会のバヤイ
四兄弟。夢主は長女(タカ丸さんのみお兄ちゃん)。働きまん。(委員会家族パロ)


男女平等のこの時代。女が男より仕事が出来てなにがいけない?女が"男たち"を養ってなにが悪いの?


「ただいまー」


「おかえなさい!」


お玉を振り回しながら現れたのは、うちの末っ子―伊助である。きゃああと抱きついてくる伊助を抱きしめて、ただいまと繰り返すと奥から思案げな表情の三男、三郎次だった。


「お帰り姉ちゃん…」


「わあぁ良かった!無事だった要ちゃん!」


「ただいま、タカ兄ちゃん。なにかあったの?」


「通り魔があったって…さっきお隣の人が。なんで電話でないんだよ!」


ぎ、と睨むように言われ、きょとんとしてカバンから携帯を取り出すと自宅から数十件もの着信が入っていた。


「あー…サイレントモードにしてた」


「三郎次くんがお迎えに行くって聞かなくてねぇ。俺も心配だったから、まぁ良かった良かった」


「そうだったの。ありがとう、三郎次」


「違っ…姉ちゃんドンクせーから!」


「背のびたねー三郎次ー」


「…っばか!」


「いてっ」


ポカッと頭を殴られて、「お兄ちゃん!」と伊助が顔をしかめてそれを咎めた。


「おーい伊助ー。魚焦げてるぞー」


「あああ!忘れてた!」


「ばか伊助」


「こらこら三郎次。タカ兄ちゃん玄関の電気消してー」


「はーい」


「ただいま兵助」


「お帰り」


相変わらず引き抜きたくなるくらい綺麗な睫毛してやがる。台所は伊助の戦場なので、迂闊に踏み込むと包丁で抜刀されかねない。ご飯は伊助に任せてしまおう。


「みてみて要ちゃん!」


「ん?」


ジャケットを脱いで椅子に腰掛けると、「あああお兄ちゃん!」と慌てふためく三郎次を振り切りながらタカ兄ちゃんが私に台紙のようなものを差し出した。


「ほら!三郎次くんね、水泳教室の代表選手に選ばれたんだよ!」


「ええ!すごい!」


「これね、水泳教室の先生がおめでとーって作ってくれた手作り賞状なんだってー。マメだよねぇ」


「…っ」


「すごいすごい三郎次!頑張ってたもんねぇ練習。大会いつなの?有給取って見に行くから!」


「えっ…?」


意表をつかれたような表情をする三郎次に、私は笑って返す。


「どうしたの三郎次?」


「また…来れないって言うのかと思った…」


「こんだけ働いてんだから、1日くらい有給取ったってバチ当たらないわよ。頑張ってね、練習」


「…うん」


「ご飯できたよ!」


「伊助!メニュー!」


「春巻きとなめこのお味噌汁だよ」


「……………そうか」


「まぁまぁ、兵助くん」


「みんな席ついて!よーしたべよ!いただきます!」



火薬委員会を養い隊!
(そうだ!明日はすき焼きにしない?一番高いお肉と豆腐買っていいから)(ガタッ!)(えー?いいの要ちゃん)(うん。臨時収入入ったから。三郎次の前祝いということで!)(気が早ぇよ!ばか姉ぇ!)(じゃあ張り切って準備するね!)

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