おまけ
「要くん、歩きにくいだろ?私の腕に捕まっていいよ」
「あ、すみません、ありがとうございます」
「要くんにはこの着物が似合うんじゃないかなぁ」
「ええ?たしかに綺麗な色ですけど…」
「要くん、ここにあんこ付いてるよ」
「えっ…わっ!?舐めないでくださいよ!」
「要くん髪紐買ってあげよう。はい」
「え、え!?受け取れません!悪いです!」
「要くんにぴったりの色だと思うんだ。きみのために選んだんだけどな…?」
「…貰っちゃっていいんですか?」
「もちろん」
「ありがとうございます。あの、大事にしますね」
「…ほんと要くんは可愛いよね」
「え?」
「ううん、こっちの話」
*
すみませんでした。
利吉さんが要くんを事前に知っていたのは、いろいろな理由がある。んだきっと。[ 38/56 ] [←] [→]
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