おまけ


「痛いところは?」


「大丈夫です!久しぶりにたくさんゆっくり寝て、すっきりしましたー」


「そう、良かった」


微笑む伊作先輩にもう一度だけ頭を下げて、医務室を後にした。食堂に行こうかな。食欲が出てきた。良きこと良きこと。


「要!」


「あっ。竹谷先輩!」


「具合良くなったのか!」


「はい!すっかり」


「おほー!良かったなぁ!」


わしゃわしゃとまた頭を撫でられるが、竹谷先輩パワーで反感が起きない。されるがままになっていると向こうから中在家先輩が歩いてきた。


「中在家先輩!」


「あ、おはようございます中在家先輩」


「…おはよう………要」


「はい!なんですか?」


「……もそもそ」


中在家先輩はなにやら僕から目をそらして、視線を泳がせる。竹谷先輩も僕も首をひねる。何だろう?


「中在家先輩?」


「…その……すまなかった…」


「え?」


「……あまり、無茶は…よくない…」


ぽんぽんと頭に手を置いた中在家先輩がいつになくぎこちないように感じたのは、僕の気のせいだろうか。


ポカンとした僕と竹谷先輩を置いて、中在家先輩は歩いて行ってしまった。


「要、お前なんかされたのか?」


「いや…なにも…されてないと思いますけど…。中在家先輩にはいつもすごくお世話になってるし…」


「要ーっ!」


「ぎゃあああっ」


「うわっ三郎!?どっから飛んできた!?」




おしまい。

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