銃は心の、なかにある!
2011/09/21 21:17

僕はたまぁに、要を遠くに感じることがある。


要が毎日うなされてる夜とか、なにか深く考え事をしているときとか、明らかに無理のある笑顔を浮かべているときとか。でも、肩を叩くと僕に気がついてなんでもないように笑うのだ。


「なぁ」


いつか僕は、要の支えになりたいと思ったけれど。


「なんで震えてるんだ、要」


今はただ、距離を縮めたいだけで。ただ要との距離がもどかしくて。


「……ッは、ぁ、…」


「ゆっくり、息吸え」


包み込んだ僕の腕に伝わる、ガタガタと震える要の体。目尻に浮かんだ冷たい涙。要が落ち着くまで、僕は要の肩越しに障子の隙間から漏れる月明かりを眺めていた。


「…ご、め……」


大丈夫だから。


口には出さなくても、要が言いたいこと、要が浮かべたい表情が手に取るようにわかった。


「あ、…りがと…」


押される僕の胸板に、ああ、また離されるのか、と。


「…?まごへ……?」


「…」


僕に話さないのは、要が僕を心配しているからだ。要が判断して、僕を巻き込むまいとしているからだ。


わかってる。わかってる。


「このまま寝ろ」


「え……」


「このまま、寝ろ」


なんてちっぽけな僕。
なんて役立たずな僕。


「でも……まごへ…」


もどかしい。
いっそ僕に、要がしがみついてくれれば。


「いい。ごめん。離したくないんだ」


僕は、しがみついた要を絶対に離さないのに。


そんな言葉が頭に浮かんで、僕はまた自分で自分を傷つけ笑うのだ。こいつとの親友の枠を、超えようともがく。


ただただ、もどかしいの一言に尽きる。それだけだ。




***
要くんと孫兵(天女篇)について考えてたらこんなのが書き上がった。一番要くんの傍にいるのは孫兵で、孫兵は要と自分の距離を計りかねています。

もだもだもだもだ



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