プロローグ



この世界は無彩色だ。
どこまで行っても有と無の存在意識と果てしなく広がるカオスワールド。
実に理解、そして名状し難い。
そこで生み出されるのは進化という仮面を被った黒と白、、、
そして延々と渦巻く灰色の世界なのである。

つまり、そう。君がいるその場所も窓から見えるその風景もカオスワールドだ。
本当に安息出来る場所などどこにもない。
様々な感情が渦巻くこの世界で生きるものなど偽りでしかない。

自らを欺き、周りを欺き、その渦に埋もれていく、、、。
そんな様に生きることが果たして真実の命なんだろうか。


所詮人間は80年も立てば死ぬ。80年などあっと言うまだ。
かく言う俺だってもう16年も生きている。
そんな短い中で自らのために、周りの空気のために、自らを偽り、他と合わせ、
ビクビク顔を窺いまた明日。なんてする意味が俺には分からない。

少なくともこれが今の生き方らしいがな。
こんなのが生き方、さらに言えば人生と言うのなら俺はごめんだ。

こんな人生を送りたいのならこの混沌とした灰色の世界の中で
精々ビクビクしてるといい。自らの肉体が朽ちるまでな。




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