第二章
正直あの時は脳内が白く、ただ真っ白く染まり、その空気に飲み込まれた。
思考は止まる。
驚愕もせず、悲壮感も喪失感もなく、すべての感情が消えていた。
10秒1分1時間、どのくらいの間動けないでいただろう。
そして俺の膝が笑い出す。止まらない。
あの時俺はただ恐怖に苛まれいた
やっと死んだ。やっと死んでくれた。
と安堵していた自分の思考回路に。
思わず嗚咽が漏れる。
もう正常に立ってなどいられない。
頭を抱え、真紅に染まったカーペットに倒れこむ。
そして独り震える。
ただひたすら震える。
prev
next
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -