第二章



少し遡のぼるが、俺の小学校時代の話をしよう。

小学校時代、、 言ってはみたがあまり記憶にない。

そういえば、小学校のころは俺が矢面だって人をいじめていた。
別に俺はいじめっ子だったわけでもないし、クラスを煽動したわけでもない。

ただ己の劣等感の赴くままに自分より弱いものに、暴力をふるっていただけだ。

劣等感。なにに対してだっただろうか。そこまでは思い出せん。
ただ昔から自分だけは傷つくのが嫌だった俺は武器を使って人をいじめていた。
多分いじめられる側にも問題があったのだと思うが、人道的にどうかと思う。我ながら。


そして、俺は中学に入学した。あの時からだろうか。
小学校時代を黒歴史と認識するようになったのは。

そして俺は認識する。

「俺以外は、、、屑だ、、」

見下すことに快感を覚えた。冷ややかな目を身に着けた。

「これこそ俺があるべき姿、、、」

そしていつしかクラスの人間を皮肉めいた口調で、罵倒するようになっていた。
これは小学校時代への憂さ晴らしだったのだろう。
あの時の俺はまだガキだった。

罵倒するようになってから、俺の境遇はがらりと変わった。
クラスの人間は俺のことをコミュ障かなにかと思っていたらしく、
話しかけてくるどころか、存在さえ認識されることもなくなっていった。

そして、それからは明確な敵意と怨みの視線が俺に向けられた。

39対1の孤独戦争だった。

よって俺は中一時代の教科書は一冊も持ってないし、中学校指定だった鞄も3つある。

正直言って、精神年齢が低かった。

そして俺はまた認識する。

俺以外のやつと関わることに意味はない。


この世界は無彩色だ。
と。





prev next



- ナノ -