セリニちゃんの貴重な産卵(後)シーン
◎『界獣共の揺籃歌_前編/後編』他数作と同世界観
◎上記作中登場のレイ×セリニちゃんの話
◎原作者様の「界獣との間にできる子なら卵生もあり得る」という妄言を真に受けて書いたSSです。勿体ないので公開
いつかかえる。きっとかえる。ただそれだけを信じ続けていったいどれほどの時が過ぎたのだろう。
白く滑らかな表面に手をあてて、一分の隙も与えまいとお腹の前で必死に抱え込む。
いつかかえる。きっとかえる。そう信じ続けた人に願いは届かずあたしの前から去っていってしまったけれど、代わりにあたしにはこの子≠ェ遺された。
揺らしても擦っても、うんともすんとも言わない。レイとあたしの愛の結晶。あたしたちの、大事な卵。
いつかかえる。きっとかえる。有り余る愛と母情を注ぎ込むひとたちはどこにもいないのに。
「あたし……待ってるわ。ねえ、いつまででも待ってるけど……」
愛だけで希望の息を繋ぎ止めるには、あまりにも時間が経ち過ぎた。
「もう諦めたら?」と、頭の後ろで誰かが囁く。
――――
22/09/29
(管理人:瀬々里様)
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