日本史嫌いは笑った


日本史とは、どうしてこうなのか…

昔の偉大な人物がやったことなど与四郎は興味がない。

今は今!!昔は昔!!
その信念を今更曲げることは出来ない。ようするに…。

「錫高野与四郎!!」

は、日本史と言う教科が苦手なのだ。

呼ばれた声に振り返って、与四郎はゲッと声を出した。
後ろにいたのは、世界地図の大きな物を持った。日本史担当教員。『凄腕』先生と呼ばれているが、どう言う理由で凄腕などと言う偉そうな名前になったのかは不明として、与四郎はこの日本史教師を人生最大の敵と認識している。

日本史が苦手な与四郎は、この時間授業をふける。と言うことをしだす俗に言う不良生徒だった訳だが、今年、この凄腕先生が入ってきてから、日本史脱走は不可能となった。


「やっやっほー凄さーん!!」
「待てやテメェェェ!!」
「待てと言われて待つ馬鹿がどこにいるんだべ!?」
「うるせぇぇ!!今すぐに教室に戻りやがれ!!」
「いーやーだー!!!!」


与四郎が授業をふけると凄腕はいつだって追ってくる。
まるで鬼ごっこであるが、与四郎は言ってやりたい。
これは……なかなかに怖いぞ。
しかし、殆どの教師が諦めている与四郎のさぼり癖をこの目の前の男は諦めてくれない。

どうやったら諦めてくれるのか、どうやったら見放してくれるのか…。

そんな考えが浮かんで、迷惑だと思うのに


日本史嫌いは笑った


「凄さーん、早く捕まえないと授業終わるべ〜」
「何だと!!?」

追ってきてくれて嬉しいなんて、そんな訳……。


[back]/[next]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -