抱きしめる受け止める 「文次郎〜!!」 「うわっ!!」 抱きつく、受け止める。 それがまるで挨拶のように、愛情の確認のように。 「大好きだぁよ!!」 与四郎が笑っている。それが、嬉しい。 俺だけを見ていてなんて我が儘は言わないが、それでも俺といるときの笑顔が、一番与四郎の本心に近い気がしている。 「与四郎」 「……?」 「俺、お前の笑う顔好きだ」 それだけ言ってやると、ムッと顔をしかめてしまった。 「え?」 「文次郎はオラのことは好きじゃねぇんか」 「………」 「………」 …何でそんな話に、俺は、お前だから、錫高野与四郎だからその笑顔が好きだって言ってんだよ。 「好きに決まってんだろ!!」 当たり前だろうが!!と若干怒り気味で言うと、真っ赤になった与四郎が目の前にいた……。 「〜おっ…まえ」 「あっ……」 つられて俺も赤くなり。そんな俺を与四郎がまた強く抱きしめた。 抱きしめる 受け止める それは愛情確認の一種。 [back]/[next] |