年上だからこそ 「お前はいい加減諦めて俺の嫁になりなさい」 「………おっさん、アンタ頭大丈夫か？」 「俺はいたって正常だ！！」 とか言いながら俺を抱きしめて尻を撫で回すコイツ本当にどうしよう。 「………いい加減、離せ！！！」 「嫌」 ギュゥゥと強まる腕。 「お前は、俺がお前に告白するのに、どれだけ勇気出して言ってるのかなんて分かんねえだろうけどな……」 「…………は？」 「おっさんの恋ってのは年をとってるからこそ諦めがつきにくくて、しつこいもんなんだよ」 「…意味わかんねぇ」 「ぶはっ」 するといきなり笑って、今度は頭を撫でてくる。 「与四郎君はそれで良いわ」 「？」 するといきなり真剣に、 「見てろ？絶対に俺のもんにする」 それがカッコいいなんて、死んでも思ってはいない。 「でっ…出来るもんならな」 「おぅ、だけどまぁ、今は尻触んねえから抱きしめさせてくんね？」 「…………はぁ…しょうがねぇなぁ…」 「どうしようもねぇオッサンだからな」 自分で認めるな！！ってあれ？凄さん何か、耳赤くないか……？ 年上だからこそ 言いにくいこともあり、言えることもある。 この年で真面目な好きはなかなか恥ずかしいもんなんだ。 [back]/[next] |