4000フリー小説 4000フリー小説 ――――――――――――――― 一番 Q・あなたの一番大事なものはなんですか? 「大事ねぇ……」 腕組みして考える…自分だって人間だから、大事なものは結構沢山ある。 食満留三郎は腕組みしながらアンケートを見た。 忍術学園新聞に、一番大事なものは何か?を六年にアンケートをとって載せるらしい。 とにもかくにも、自分には一番が多すぎる。 譲歩して区切ってみても、沢山沢山あるのだ。 「ん〜……」 例えば用具委員の後輩、可愛くて可愛くて、自分にとっては目に入れても痛くない程大事である。 例えば伊作、六年間同室で親友となれば、やはり彼は自分の一番の友だ。 例えばアヒルさんも…。 「……アイツは何を書いたんだろう……」 ふと思い浮かんだのは、潮江文次郎の顔だった。 そこでふと、文次郎について考える。 俺はアイツが好きだ。 恋愛対象で恋人でもあるし、ケンカ友達でライバルでもある。 努力家で、無駄に天然タラシで男前 掌が大きくて、その掌で俺の頭をなでる 笑った顔が…すごく好き そこで俺は、はっ!!となった。 これを計算するに、俺の一番大事なもの……は文次郎と言うことになるのではないか……? カァァァと顔が赤くなる。 「///や、でもアンケートに書く訳には/////」 しかし、一度思いついたら、文次郎のことしか頭に入らなくなってしまい。結局、恥ずかしくはあるがアンケートに文次郎の名前を書いたままにしてしまった。 潮江文次郎は、忍術学園新聞を読みながら、普段は見せない満面の笑みを浮かべていた。 食堂にいるのだが、あまりにもニコニコしているので、見ている全員の顔が赤くなっている。 文次郎はそれに気づかなかったが……。 自分は結局、食満の名前をアンケートに書いたのだが、まさか食満まで自分の名前を書いているなんて、誰が予想できるだろうか? 「〜っ///////////」 一番じゃなくたってよかったんだ 期待はまったくしてなかった分、嬉しくて死にそうだった 「他にも色々あっただろーが///////」 ニヤける顔が抑えきれない 隣にいた仙蔵が 「文次郎、そのニヤけた面をどうにかしろ!!」 と言ってきたが、俺はどうしようもなく嬉しいのだ 「だってあの食満だぜ?////珍しいと言うか////本当にもう(ニコニコ)」 「〜//お前のその面の方が珍しいだろう!!恥ずかしい!!(食満が文次郎の笑顔が好きだと言う理由が分かった気がする……)」 一方、食満も新聞を読んでかなり舞い上がっていた。 「うわぁ/////うわぁ///////」 好きな相手の一番になるのはどれほど、嬉しいことか 文次郎にとっての一番は自分なのである。 食満は嬉しくて恥ずかしくて、緩んだ笑顔を引き締めることもせず、ただ、赤い顔のまま布団で顔を隠した A・「食満留三郎」「潮江文次郎」 文次郎が長屋に来て食満を抱きしめるまで 後もう少し…… あとがき 4000ヒットフリー、今回はお互いの一番って何だろうね…?お互いがお互いを一番だと思ってるてきな感じです(笑) 文食満は基本甘いのですが、今回もこんな感じです。 それでは、フリー小説なのでお好きにどうぞ!! [back]/[next] |