同腹一心のくろ八様に捧げる相互記念品

確信犯は不敵に笑う

えー、皆さんこんにちは、くろ八様こんにちは、伊作の変な薬のせいで小さくなった食満留三郎15歳です

アハハ……ハハ


「阿呆かー――!!!」


現在、潮江文次郎を除く六年全員が、小さくなった食満にジリジリと近づいていた


「留さん可愛い〜」
「可愛いな」
「抱っこさせて〜」
「…………」


怖い怖い!!伊作なんか息ハァハァさせてるし、キモイんだけど!!

小さくなったからみんなの威圧感が増してるし!!!


そんな訳で食満は……


「「「「あっ!!!」」」」」

逃げ出した







一方その頃潮江文次郎は、日々の予算会議の疲れのため、しばらくぶりの睡眠を取り、布団の中で微睡んでいた。


「………」

太陽がポカポカと暖かい、いい感じに眠りに誘われた文次郎は……穏やかに寝息……


ドタバタッ!!!


をたてられなかった。


「もんじろーーー!!!!!!」
「………やかまし…い」

寝ぼけた目を擦って、若干イライラしながら起きあがると、そこには小さくなった食満がいた。


「………は…い…?」


文次郎の寝ぼけた頭は、普段なら、あぁ伊作?となるところを、現実として受け止めれなかった。

そもそも小さくなった方が世の中の常識としておかしいのだから、寝ぼけた文次郎に事の真相を理解してもらう方が無理がある。


「夢……か……?」

しかし六年に追っかけられている食満はそんなの構っていられない。

「俺今っ!!他のヤツらに追われてるんだ!!かくまってくれ!!」


もはやライバルだとか関係ない!!食満は死に物狂い、必死に文次郎に助けを求めた…ら


ヒョイッと文次郎に持ち上げられた



「本当だ…食満だぁ…軽い……」


文次郎は、食満を抱き上げながら上機嫌にニコニコしだす


「もっ…もんじっ!!?」


慌てる食満をよそに、文次郎は小さな食満をギュゥと抱きしめ、頭を撫で回した。


「かわいいなぁ……」
「なっ!!!!」


そこでやっと文次郎が寝ぼけていることを悟った食満は、真っ赤になりながら、文次郎の腕の中でジタバタと暴れ出す


「ちょっ!!文次郎!!離せ〜!!!」
「……ん〜……」


食満の言葉に、案外あっさりと文次郎は食満を解放した。


が、そのとき、後ろから食満にとってはかなり嫌な4人、伊作、仙蔵、長次、小平太が、この部屋に入ってきたのだ。


「「「「文次郎ーーーーー!!!!」」」」
「………ん〜?」


まだ寝ぼけている文次郎は、あぁなんだかメチャクチャな事になったなぁ……と走ってきた4人に首を傾げた


「ここに留さん来なかった!?」
「………??」


文次郎の頭は、先程の食満襲来で見事に寝るタイミングを逃し、眠くて眠くて起きていられるのが精一杯だ


「文次郎っ!!!留ちゃんどこっ!!?」
「どこへ行った!?答えろ!!」

小平太に寝間着の襟をつかまれガクガクと揺さぶられ、仙蔵には耳元で叫ばれ


文次郎は4人の前でニコニコと笑った

「………わからん」


ヘラヘラと笑う文次郎に、4人は若干フリーズした。

「もっ……文次郎?」
「なんだ〜?」
「眠いのか?」
「……ねむく…なんて………」


そう言いつつ、夢の中に行きそうな文次郎に、4人は文次郎が相当眠たがっている事に気づいた。
と同時に相当疲れている文次郎を起こしてしまった事に、なんだか申し訳なくなった。

それと同時に危険信号が鳴り響く

完徹の潮江文次郎は意識がほとんど抜けたまま行動する事がある。

しかも歯の浮くようなタラシ発言を真顔で言ってくる。


4人は、文次郎を見た後、結論を出した。


「お休み〜」
「ゆっくり休め」
「お〜………」


文次郎の近くに近付くなかれ



間延びした返事を聞いた4人は、障子をゆっくり閉めた



「………文次郎さん」
「なんですか?食満さん」
「…行きましたか?」
「……たぶん?」


文次郎の布団の中で息を潜めていた食満は、ヒョコッと布団から顔を出した。


たぶん、と言った後の文次郎を見ると、もう起きている事が限界だったのか、夢の世界に行ってしまっていた。


「………そう言えば…」

文次郎の寝顔を見るのは初めてかもしれない。


「隈すげぇ……」


よく見れば、端正な顔をしている。顔の一つ一つも整っているのに、この隈がいろんなものを損なっている気がする。


「カッコイイ……」


ポツリと呟いた後、食満は赤面した。


「こっ…こんな鍛錬バカのどこがカッコイイか!!」

食満は一人で真っ赤になった顔を抑える事になった。

「う゛〜…カッコ良くない……」


そうブツブツ呟いていると、ふいに、体が抱き寄せられる感触


「………!!?」

文次郎が食満を抱き寄せたのだ。

食満は暴れたかったが、気持ちよさそうに寝ている文次郎を起こすのも可哀想で、ドキドキしながらされるがまま


「…………食満」

自分の名前を満面の笑顔で呼ばれ、プシュュゥと音が鳴りそうほど顔を茹で蛸にして文次郎にすり寄った。

「こっ…これは文次郎が放してくれないからで、かと言って俺が起こすのは可哀想だから!!不可抗力なんだ!!」


文次郎が聞いてる訳がないのに、一人言い訳した食満は、腹をくくって寝る事にした。


「………おやすみ…」



今度こそ寝るため、瞳を閉じた食満は、文次郎の額にチュッと口づけた


出来れば


そのことも覚えていないと嬉しいのだが……






その後






そんな光景を、悔しそうに見ていた4人がいたのに気づいたのと


目が覚めたら戻っていた食満に、文次郎がニヤリと笑って、また額に口づけたのは


幸せな夢から覚めた後の話







そう言えば……あれ?文次郎起きてたの!?




「さぁ?起きてたかな」



確信犯は不敵に笑った






あとがき
同腹一心のくろ八様に捧げる相互記念小説です。
……あれ?おかしいな……リクエストは六年食満で文次郎落ちだったはずなのに……六年が出張ってない!!

すいませんΣ( ̄□ ̄;)くろ八様!!

書き直しはいつでも受け付けますので

ですが、確信犯文次郎が書けて楽しかったです!!←おいっ!!


それでは、これからも、くだらない猫は笑うをよろしくお願いします!!


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