紫神様へ1300リクエスト(ヤキモチ文食満)

嫉妬の深さは愛と同等

ヤキモチ焼きがここに一人


「………」
「文次郎?」


同室の親友を見ると、分かりにくいが、真顔で苛立っていた。

視線の先には用具委員会委員長の食満留三郎が、笑って後輩を抱きしめている光景……。

おそらく、後輩が可愛いことをしてくれて、嬉しくて出た行動だ。
後輩も嬉しそうにそれを受け止める。


だが……。


「なぁ文次郎、一年に嫉妬とは見苦しいぞ?」
「…ちげーよ仙蔵……そうじゃなくて……絶対もっと増えるんだ」
「はっ?」


文次郎の言うことがわからず、暫く食満を観察していると、確かに来た。

「食満先輩!!」
「ん?」
「これ、用具のリストです!!」
「あぁ、ありがとう!!」

三年の富松が食満によっていった。


食満は富松の頭を撫でておぶってやる。

「食満先輩!?」


必死に抵抗する富松だったが、食満が

「いーからいーから、たまには甘えろ!!」
「いいです!!おろしてください!!!」


暴れる富松に、大爆笑する食満を見て、文次郎を見れば、文次郎はその光景を微笑ましそうに眺めていて、先程の苛立った顔は微塵も見せず……。

あぁ食満はこの男にそうとう愛されているんだなぁ……と、一目で分かる顔をしていた。



しかし、五年生が食満に寄っていった辺りで、文次郎の顔が、また、わかりにくいが苛立った。



「食満先輩!!!」
「おぉ!!竹谷に久々知、どうした?」

どうやら、竹谷は動物小屋の修理を頼んだらしく、食満と楽しげに会話していた


「なるほどな……」
「…………?」
「お前は食満がいろんな人から好かれるのを知っていて、特に五年の竹谷を警戒している訳か…」
「!!?」


文次郎の顔に焦りが浮かんだのを見て、図星だと悟った

しかし、食満の楽しげな後輩との会話を、文次郎は邪魔はしない。
過剰なスキンシップも、食満が嫌がっていないようであれば、この男は不服そうにしながらも、止めはしないのだ

その辺りは食満よりも……文次郎の方が大人だと私は思う


だって


「文次郎、ちょっと、顔をこっちに向けろ」
「あぁ?」



チュッ



私がコイツの頬にキスをしたら


バシュンッ!!
手裏剣が投げられた。
それをキレイに交わして食満の方を見ると

殺意を込めた目で私を見てきたのだ


「………は?」


あまりの出来事に状況判断が遅れている文次郎は、私の顔と食満の顔を交互に見ながら


「何しやがる!?」
「スキンシップ?」
「いやいやいや!!!」

文次郎が反論してきたので、ワザとおどけてやれば、アイツはため息をついてその場に立ち尽くした


食満はと言うと、泣きそうな顔でコチラに近づいてくる


私がフフンッと笑ってやると、ますます泣きそうになったが、それでも近づいてくる



そして、食満は、文次郎の目の前に来て

「文次郎は俺のなんだからな!!!!!」


グイッと文次郎の服の襟を掴んだと思ったら


そのままキスしてしまった



その場にいた全員が固まる、キスされた文次郎も状況判断に苦しんでいる


「けっ///食満?」



唇が離れて、文次郎に抱きついた食満は私を睨んであっかんべーをしてきた

私は予想通りの反応に爆笑しそうになりながら、食満に声をかける。


「食満、五年が見てるぞ?」
「………」


食満は首を傾げ、私を見て、辺りを見渡す……そして、文次郎を見た辺りで

「〜っ///////////////////!!??」


状況が判断出来たのか、食満の顔は耳まで羞恥に染まった

吊られて文次郎も赤くなり、2人はもうどうしていいか分からなくなってしまい、赤い顔のままでその場に立ち尽くす羽目になった。






気づけ潮江文次郎


お前が私と話して、目線を少しずらした時、食満がコチラの様子を伺っていることを


嫉妬の念が深いのは実は食満なのだと言うことを


お前が思っている以上に、食満がお前に惚れているということに



「でもまぁ……」



気づかないのがお前らしんだがな







あとがき
紫神様へ贈る1300リクエストのヤキモチ文食満です
小説かイラストかの表記がなかったので、小説にさせて頂きました!!
我が家の文食満は、文次郎よりも食満の方が嫉妬心が強い傾向にあるようです……(^_^;)
もっ…もし文次郎の方が嫉妬心あった方が好みでしたら言ってください!!思いっきり書き直す覚悟があります(>_<)

それでは、遅くなってすいませんでした!!


リクエストをくれた方だけお持ち帰りOK


[back]/[next]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -