水菜様へ800リクエスト(文食満でそれに絡む部外者たち)

少しは焦って!!

食満留三郎はちょっと考えていた

恋人の潮江文次郎のことだ。

そう言えば、自分達の恋愛は…いつも自分ばかりが精一杯ではないだろうか?

潮江が好きで、大好きで、潮江から告白してきてくれた時は…凄く嬉しくて、それ以上は望まないと考えていた程なのに…。


¨気持ちが募れば、欲が出る¨


もっと心配して欲しい、愛されてると自覚が欲しい。
ようするに、何をして欲しいのか、と言うと…。

潮江文次郎に……。


「ヤキモチを焼いて欲しいんだーー!!!!」


潮江は俺を大事にしてくれてるし、愛はあるさ!?分かってんだよ!!でも、あの超絶鈍いヤツは言い寄ってくるヤツらに気づかないんだよ!!俺がどんだけヤキモチ焼いてるかぜっっったい潮江は気づいてない!!


「留さん!!うっさい!!」

そんな叫びを口に出していたら、伊作にうるさいと怒鳴られた…。


「…そんなにヤキモチ焼いて欲しいの?」
「……うん……」
「(可愛いなぁ…)じゃぁ、僕が協力してあげようか?」
「……は?」







……そんな訳で、伊作の作戦が始まった。
作戦はこうだ、六年のヤツらが俺に言い寄る演技をするから、なるべく文次郎の近くでする。
文次郎が止めに入って、俺をその場から手を引っ張って消えたら成功……大丈夫か?



「留さーん!!」

一番始めに来たのは、伊作だった…抱きついてくるのは、割といつものことで、文次郎をチラリと見ると、微笑ましそうに笑った……。


……カッコいい////


って違う!!そうじゃないんだよ!!俺はヤキモチ焼いて欲しいの!!

伊作をチラリと見ると、何故かそっぽを向いていた。


「(食満にくっついてんじゃねーぞ?)」
「(……恐っ!!気づいてないの留さんだけだよ〜!!!)」


文次郎の後ろから黒々としたオーラが出ている。
自分も黒さなら引けを取らないが…文次郎のは、普段表に出ないぶん…とても恐ろしいのだ。
伊達に仙蔵と六年間付き合ってきた訳じゃない……黒オーラの使い分けがしっかり出来ていて、留三郎には穏やかに、自分には魔王の笑みを浮かべている。


「……留さんもあれじゃぁ気づく訳ないけどさぁ…」
「…どうしたんだ?伊作?」
「何でもない……」

全く、文次郎には負ける…そう思いながら、伊作は食満から離れた。





…伊作がいなくなってしまった。
次に来たのは、ろ組コンビの2人だった。
小平太は俺に抱きつき、長次は頭を撫でて、俺に話しかけてきた。

「留ちゃん久しぶり〜!!」
「あっあぁ…」

小平太、抱きつくのはいいが、ちょっと苦しい……長次もひっついて来たので、ますます苦しくなる。苦しさに顔をしかめていると、こちらに文次郎が近づいてきた。
なっ…何だ?


「小平太…長次…」
「ん?何、文次郎」
「……?」


そう言うと、苦しさから解放された。
2人を文次郎が引き剥がしてくれたのだ。

「食満が苦しがってるだろーが、小平太はともかく、長次は気づいてやれ」

俺を抱きしめて、2人を諭す。

「お前も、苦しいなら苦しいって素直に言えバカタレ」

それで俺の頭を撫でるんだ。2人は慌てたように、気づかなかったのを謝ってくれた。それで、その場から消えてしまった。

「なぁ長次…」
「……?」
「文次郎には適わないよなぁ…」
「……あぁ……」
「いつもケンカばかりのクセにさぁ…一番留ちゃんを気にかけてるんだ」
「…留三郎も文次郎のそういう行動一つ一つにドキドキしてるからな…」

心配しなくても、ちゃんと愛されてるよ、留三郎…。





俺は、文次郎に抱きしめられたまま固まる。
次に現れた仙蔵が、面白くなさそうに眉をしかめた。


「なんだ…私の出る幕無しではないか……」


仙蔵が文次郎を睨みつけると、抱きしめる腕の強さが強くなった。


「仙蔵…俺は今機嫌が最大級に悪いんだ……すぐに消えてくれないか…?」
「………っ」


仙蔵の顔が強張ったのが見えた……。どうしたんだ?

「仙蔵?ナメクジ、福富、山村」
「分かった!!今すぐ消える」

そう言って仙蔵までも消えてしまった。


「アイツ、黒が出ている!!」


あの奇妙な言葉の羅列は、直訳するとこうだ「仙蔵、早く消えてくれないと、お前の机の中にナメクジをいれてやる。ちなみに、福富と山村にお前の居場所を教えてやるつもりなんだが?」顔は笑顔だったが、NOと言う言葉は認めないと言っていた。
アイツを本気で怒らすことは、自分の命の危機なような気がしてならない。
しかし………。


「十分にヤキモチ焼いているじゃないか!!!」

食満をからかうついでに、キスしようとしていた私の計画が失敗だ!!!




「文次郎……?」


俺はまだ抱きしめられたままだった。いい加減放してくれないと、顔に熱が集中してヤバいのだが……。


「文次郎…放してくれ……」


文次郎が抱きしめたまま、耳元で囁いた言葉に、俺は真っ赤になって動くことが出来ず。

堪らなくなって、文次郎にキスした。



『俺がお前にヤキモチ焼かないと思ったか?そんな訳ないだろうが…俺はいつも不安で……焦ってるんだよ/////』





焦って欲しいともっと愛して欲しいと思った俺がバカだったかも知れない

焦ってるのは俺だけじゃなく


お前だっておんなじだったんだ






あとがき
水菜様、初めまして!!予想以上に長くなりましたが、いかがでしょうか?六年は食満大好きなんだけど文次郎は認めてるんだと言う……リクエストに沿ってない…?わぁぁぁ!!すいません!!我が家の食満は文次郎大好きっ子なのでこんな話になってしまいました。
そして我が家でオススメしている黒文次も若干登場……。

書き直しはいつでも受け付けます!!
出来ればこれからもストーキングを続けてくださるとこちらとしても嬉しいです(笑)


リクエストをくれた方だけ持ち帰りOK


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