↑続き


ってかさぁ……
目の前にデデンと構えるココは


「何だ…これ」
「何って城」
「いやいや、わかるんだけどさぁ」

ここに仙蔵いるのか?
でけぇだろ、ありえねーだろ!!
って待て文次郎!!

「何普通に門飛び越えてんだよ!!」
「仙蔵の城だから良いんだよ!!」
「………は?」

誰の…?仙蔵の?
えぇ!!?

「立花君はいつから城を持つまでになったんでしょうか?」
「さぁ…でも完璧に帝王の位置は獲得したぞ、ハァーハッハ!!とか言ってったな……」
「えぇ」

完璧にそのときの状況が想像出来る俺が嫌だ。


文次郎が門を飛び越えて、城の中に入ると、そこには広い部屋に座る仙蔵がいた。


「遅い!!!!」

仙蔵は眉をしかめて文次郎をぶん殴った。

「ブーッ!!!」
「文次郎!?」

吹っ飛ばされた文次郎とは反対で、俺はしっかり逃げていた。

「さて、文次郎、私は留三郎と話がある」
「……え?」
「わかった」

文次郎がぶっ飛ばされた状態から起き上がって、部屋から出て行き、俺は仙蔵と二人きりになってしまった。
その前に

「その服、明らかに女物」

みたこと無いけど、多分

「気にするな」
「や……」
「気にするな!!!」
「はい!!」

クナイを投げられそうになったので、慌てて受け答えして話を戻す。


「仙蔵、話って何だ?」
「うむ、では始めようか」
「はっ?」

あたりは異様な空気に包まれた。見ていた世界が急に暗くなって、行灯の灯火だけが残った。


「食満留三郎」
「何だ」
「この世界では、お前が気持ちを認めない限り帰れないぞ?」
「………え?」

仙蔵がニヤリと笑った。

「今日1日、文次郎といれて楽しかっただろう?」
「なっ!!そんな訳ねーだろ!!」
「手を引かれたのが嬉しかった」


おかしい、さっきから仙蔵は何なんだ。

「文次郎に抱き上げられて、あんまりケンカしないで行けて、嬉しくなかったか」

そんなの知らない

「姫抱き…凄く嬉しかったんじゃないのか」


知らない知らない知らない
気持ちを認めるって何だ?

「留三郎、いい加減認めたらどうだ?好きなんだろう?」
「何言って……」

頭がグワングワンと痛む

「早く言え!!鐘がなったら帰れなくなるぞ!!せめて別世界だけでも言ってみろ」

俺がアイツを好き?
ケンカばっかりで、いつも殴り合いになるのに?

仙蔵の顔が歪んで、目の前にいたのはもう一人の自分

『文次郎が好き』
「違う!!」
『大好きなんだ』
「俺はっ!!」
『なぁもう気づいてるんだろう?』
「……っ」

視界が黒で消えかかる。
俺は急いでその場から逃げ出した。


文次郎、文次郎!!
気づいたら体は元に戻っていて、服も元通り
でも……


「どこだよっ!!!」



チクタクッ、チクタクッ

わかってるよ、本当は、知ってるよ、本当は

闇に世界が包まれる。

黒兎を探して

探して


「文次郎っ!!!


チック、タック、チクタク、チクタク

どこにいるんだ。


「………〜っ…すき……だ………」


真っ暗闇に染まった世界で、涙が一滴落ちた。


『やっと、素直になった』




ゴーン…ゴーン





「……めさぶ…ろ!!」
「……もんじ……ろ?」

なんだか世界が揺れている。ここはどこだ?


「留三郎!!おい!!」

あぁそうだった。文次郎は俺のことは下の名前で呼ぶんだっけ?
俺は、肩を掴まれて揺さぶられてる?

まだぼんやりしている視界に、文次郎の姿を見た。

「よかった……いたぁ」


文次郎の服の袖を掴んで、なんだか涙腺が緩んだ。

「留三郎………!?」
「置いてくなよ………バカヤロ……好きなんだよ…文次郎…」


ひっく…嗚咽が止まらない。あの暗闇に置いていかれるのは絶対に嫌だ。

文次郎が隣にいてくれなきゃ、俺は嫌なんだ。


「留三郎……」


夢か現実か区別がつかず。淡いオレンジ色の夕日と…唇に触れた熱、強く抱きしめられた体温が、あまりにも心地よかった。



「……ん?」


はっ!となった俺は、慌てて文次郎を見る。
忍装束に、耳が無い普通の

ってことはさっきのは夢!!?

じゃぁこれは…


「〜っあ」


目線を合わせた文次郎の顔が、あんまりにも穏やかで、俺は固まってしまった。

「留三郎…好きだ」
「えっ……」

はっ恥ずかしい!!!
嬉しそうにはにかんで
額と額をくっつける。

寧ろこっちが夢なんじゃ……

「好きだ」
「………俺も好きだ」

言ったらまたふってくる口づけに、俺は目を閉じた。
夢じゃない。確かな暖かい感触に、身を任せて、





おかえり、おかえり

不思議の国はどうでした?

素直になれたでしょうか?




『きっと、幸せになるよ』

誰かが優しく微笑んだ。




終わり



はい、まず最初に言いたいこと、ムチャクチャ長くなりましたうぃる様すみません

私はとても楽しかったのですが終わったときにはメールの容量を越しそうでした…。

ウサギ耳の文次郎が書きたかったと言う衝動です←おいおい

いくらでも返品可能ですのでいつでも言ってくださいね(-"-;)

では、これからもよろしくお願いします!!
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