21 もどかしい関係 とりあえず、昔から自分は、親が放任主義(愛されてないわけじゃないけど)で、どちらかと言えば淡白な方だったと思う。 だけど、いつも明るい与四郎がそばにいたから、感情とかがちゃんと出せるようになったのだ。 アイツと同じ匂いの、だけど、違うヤツ 可愛いと思う。純粋に、頭を撫でたくなるし、甘やかしたくなる。 『昔、ワシの師匠が言っとったんじゃが』 『は?』 『弟子ってのはいつまでも可愛いもんなんだそうだ』 『はぁ?』 『最近になってそれがわかってきてな』 昔の師匠との会話を思い出して苦笑い。 うん、師匠、俺もやっとなんかわかってきた。 でも、何かが引っかかるんだよ……。 この前与四郎が、俺たちを独占したいと言ったのを思い出した。 友情か、恋か、わからない。あやふやな位置にいるんだろうと思う。 今のところ、彼女が欲しいか?と聞かれれば欲しくない。 俺は、アイツらが欲しいと思う。 片方だけじゃなくて、出きるなら両方? 文次郎・「これじゃぁ、俺の方がワガママだなぁ……」 は三人で雁字搦め…本当に、そうなってしまえば良い そうくだらない事を考えて、店のドアが開いた。 NEXT [back]/[next] |