12 昔はいろいろありました 電話に出て、久しぶりに聞いた声は 「あっもしもし!!文次郎!!」 「……ただいまこのお電話に……」 「そんな冗談良いからさ!!それより俺の話を聞いてくれ!!」 文次郎と与四郎の高校の同級生。情報屋の七松小平太から電話がかかってきた。 正直に言うと、文次郎は小平太が苦手だった。 抱きついたり飛びついたりはまぁ与四郎で慣れているからいいとして、この男、一度文次郎を襲いかけた事例がある。 え?与文食だろこの話? 勿論気づいて文次郎を助けた与四郎が真っ黒笑顔と、暴力により小平太をぶん殴った。 それから与四郎は意地でも文次郎と小平太を再開させない。文次郎も小平太と出会わない。と言う暗黙の誓いを立てた。 しかしながら、同じ学校にいると嫌でも出会ってしまう訳で、文次郎と与四郎を見つけた小平太は泣きそうに謝ってきたのだった。 彼女と別れてムシャクシャして、酷いことをした。と、あんな真っ直ぐに泣きそうな顔を見せられると、やっぱり許してしまった。 だから、これはあくまで小平太の名誉の為にいっておくが、文次郎は小平太が一人で、友達の一人として店に来るなら喜んで招き入れた。 どのみちこうなるのはなくわかっていたけど はてさて、今日はどんな用事で来たのやら NEXT [back]/[next] |