08

名前呼びは仲良くなる第一歩





着心地の良い作業服に袖を通し、黒のエプロン、髪が落ちてこないように、黒い布で三角巾を作る。うん、よく似合ってる。
目の前には食満君、後ろに与四郎、アルバイトの作業服が無い為、俺のお古の作業服を着せてみた。

留三郎・「あの、似合い…ますか?」
文次郎・「似合ってるよ」

そう言ってやると、嬉しそうに笑った。
顔は似ているものの、与四郎とのあまりの違いに俺は感動を覚える。幼なじみはこんな似合ってるか?などおずおず聞くタイプではない。
文次郎〜見てこれ!!オラ格好いい!!
うるせぇぇ!!

与四郎にも作業服を着せたときの先程の会話だ。
こちらも似合ってはいるが……


文次郎・「そういえば食満君」
留三郎・「はい?」
文次郎・「敬語やめないか?同い年なんだろ?」
留三郎・「あっ」
与四郎・「文次郎は老けが…っ!?」

与四郎に蹴りを入れて食満君を伺う。

文次郎・「俺のことは文次郎、はいっイチニーサン!!」
留三郎・「へ!?文次郎!!」
文次郎・「そんでもってお前は留三郎、わかったか?」
留三郎・「えっ…わっわかった」

勢いで言わせて頭をワシャワシャ撫でまくる。

留三郎・「ちょ!!」
文次郎・「ハハッ」

抵抗しながらすんなり受け入れるあたり、やっぱり猫に似てると思った。


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