05

猫の住処





文次郎の発言に、面食らう留三郎

留三郎・「え!?」
文次郎・「俺が拾っちまったし、話を聞いた縁だ。元々この店は、幼なじみと二人でやる約束をして作ったんだが、幼なじみは菓子職人、俺は料理人だからな、料理運んでくれる人がいると助かる。どうだ?乗ってみるか?」

文次郎がニヤリと笑うと、留三郎が目を輝かせる。

留三郎・「あの、だったら弟子入りさせて貰えないですか?」
文次郎・「は?」
留三郎・「お手伝いが出来たら、もっと役にたてるし!!感動したんです!!」
文次郎・「え…」
留三郎・「お願いします!!」
文次郎・「あっ、わっわかった」

留三郎の迫力に負けて思わず頷く文次郎

留三郎・「ところで、菓子職人さんは?
文次郎・「あぁアイツは、フランスで修行してて明日帰ってくる」
留三郎・「じゃぁこのケーキは?」
文次郎・「俺が作った。だけど、アイツのはこれより旨いはずだ」

与四郎が帰ってくるまでは、デザートも自分で作っていた。しかし、作れるといっても専門的なものではないし限界が有る。与四郎が帰ってくることで、料理の幅が広がるはず。
文次郎は思わず微笑んで、ところで、と付け足す。

文次郎・「食満君…家は」
留三郎・「………」

あぁ…そっか、無いんだ……

文次郎・「わかったわかった。ウチ泊まるか」
留三郎・「すいません…」
文次郎・「気にするな」

拾った猫は家で飼うことに


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