「おめでと」
「えっ」


朝一番。
神尾が扉を開け、部活に行こうとすると恋人の伊武がいて、小さかったがはっきりとそう言った。

今日は8月26日。神尾が生まれた日。

驚きを隠せずワタワタと慌てる神尾を見て満足したのか、伊武は小さく微笑んで「行くよ」と言って歩き出した。

「ちょっ!待って深司!!」
「何?早くしないと遅刻するんだけど」
「いや、その……」

モゴモゴと何やら言って俯く神尾。伊武はその行動に眉をしかめて思いきり神尾の足を蹴る。

「いてっ!何すんだよ深司!」
「言いたい事あるなら言えば?」
「……あ、ありがとう」
「え、それだけ言うのにあんな躊躇ってたの?」
「う、うっせ!なんか改めて言うの恥ずかしいだろ!」
そう言って、真っ赤になってしゃがみこむ神尾。

「ほんっとヘタレだよね、アキラって」
「う……」
「…まぁ、そういう所も好きだけど。」
「え?」

突然の言葉に驚いて顔を上げると、目の前には伊武の顔があった。その直後には唇に柔らかい感触。

「……プレゼント」

伊武はそう言うと立ち上がって学校の方へさっさと歩き出す。ポカンとしてしばらく動けなかった神尾も正気を取り戻して伊武を追いかけた。

「可愛すぎるだろ、深司……っ!」

神尾から見た、歩いていく伊武は顔こそ分からないが、ちらりと見えた耳は真っ赤に染まっていた。








「深司、超可愛い」
「黙れバ神尾」
「バ神尾!?」












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あさ丸さんからのキリ番リクエストで伊武受けで相手は問わない、です。
ご希望に添えたか不安です…。相手に悩んだのですが結局神尾でした。でも私が神伊武書くと逆っぽく……なって…しまいまして……。あと神尾の誕生日はまだ先ですが気にせず…!
あさ丸さんのみお持ち帰りご自由にどうぞ。返品も受け付けておりますよ!
キリ番555



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