「やべぇあの子超可愛くね?」
「えー、俺あっちの子の方が好みっス」
「見る目ないのぉ、あそこの子が一番可愛いナリ」

練習試合とかの度にこの三馬鹿はこんな会話ばっかりしている。あの子胸でけぇ!Dカップぐらいっスかね?いや、Eカップぜよ。とかあ、パンツ見えた。え、何柄?ピンクのチェック。まじっスか!とか。思春期真っ盛りの会話しやがって!柳生くんを見習え!お前らなんか幸村大魔王にちくってやるからな!

「てかここにいるよね、可愛い子なら君たちのすぐ傍にいるよね」
「え、どこ?あの子?」
「ブンちゃん、マネージャーは自分のこと言っとるんじゃよ」
「……お前マジで言ってんの?」
「うわー……」
「よし、お前らそこに並べ。一人ずつビンタをしてあげようぞ」

つくづく思うけどなんて失礼な奴らなんだ。忘れてるみたいだけどあたし女の子だからね?あ、そういえばそうだったねみたいな顔すんなよ。君たちはどれだけあたしのハートを傷つけたら気が済むんですかコノヤロー。ねぇ柳何とか言ってやってよ。ええええ、何で柳まで忘れてたみたいな顔してんの?もう泣いてもいい?

「あいつらはお前の気を引きたいだけだ」
「は?柳くん何言ってんの大丈夫?目が開いてないよ」
「元々だ」
「ごめんなさい」

開眼した柳Lv.93が恐ろしかったのでジュースを買いに行くことを口実にそそくさとその場を離れた。触らぬ神に何とやら。開眼した柳は幸村大魔王Lv.99に引けを取らない強さなので逆らわないのが賢い手段なのである。開眼柳恐るべし。自販機を探してうろちょろしていたら突然後ろから誰かに肩にポンと手を乗せられた。

「ねぇねぇ、メアド聞いてもいい?」

振り返ってみると今日の練習試合の相手校の人がいた。「さっきから可愛いなーと思っててさ」ふはははは、ざまーみやがれ三馬鹿共+柳!あぁ、今の台詞を録音して三馬鹿共+柳の前で永久にリピートしてやりたいよ。上機嫌で赤外線通信をしているとその男の子に立海てイケメンばっかだねーと言われたので全力で否定しておいた。顔はいいかもしれないけど性格最悪なんです、はい。

「おいおい、マネージャーが部員の陰口とかありえねぇだろぃ」
「言っとくけどこの先輩かなり怖いから!いや、マジで往復ビンタとか普通にするから!」
「……プリッ」

ええええ、本気で何やってんの君たち。いきなり茂みから出てきたのはなんと三馬鹿共だった。男の子びっくりしてるってか若干引いてるよ。「…じゃ、またね!」あ、どっか行っちゃった。

「ほいほいメアド教えんじゃねぇよ」
「いやいや、あたしが誰とメールしようがあたしの勝手だよね」
「そんなにメールしたいなら俺がしてやるのにのぉ」
「だって返信で"ピヨッ"とか来たらどうしたらいいかわかんないし」
「じゃあ先輩俺とやりましょうよ!」
「えー…赤也返信遅いからやだ」
「あのー……、」

そのとき控えめに声をかけてきたのはこの学校の女テニと思われる女の子たち。彼女らは三馬鹿共のメアドを聞きに来たらしい。彼女たちが三馬鹿共の周りに群がったのでいつの間にやらあたしは完全に蚊帳の外。

「おぅ、全然いいぜぃ!」

ええええ、お前さっき人にほいほいメアド教えんなとか抜かしたよね?ブン太だけじゃなく仁王も赤也も普通に笑顔でメアドを教えていた。

ほんとに何なんだお前ら。


(110116)
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