「あああああああ!」
「な、なんね!」
「謙也さん、日本語喋ってください」
「い、いいいいいまそこ黒い物体が通過したああああ!」
「え、それ、あれ、ゴキブ…」
「ああああ、おいコラ白石!キモいやろ名前出すなアホ!」
「ええええ、すまん」
「奴が…Gが……今、この部屋に、おる…!」
「キモいキモいキモい」
「アタシもあれは無理やわ〜」
「誰か勇者はおらんのか」
「おい千歳、お前でかいねんから行けや」
「差別たい!でかいのは関係なかね!ゴキブリは無理っちゃ!」
「名前を出すなあああああ」
「よし、金太郎。あれはカブトムシや。潰してこい」
「おい、ここに最低な奴がおるぞ」
「えー、あれなんかちょっとちゃうくない?」
「気のせいや。あれはメスのカブトムシなんや」
「おいこら一氏いいいい!お前が行けやああああ!」
「ええええ、そんなこと言わんといてや小春〜」
「あかん、こいつは頼りにならへん」
「ああああ、今入り口に奴がああああ!」
「ちょっと休憩中ってところか。仕止めるなら今しかないぞ」
「はい、謙也さん」
「え、ちょっ、……え?なにこのゴキジェット」
「大丈夫、謙也さんならできるって俺信じてます」
「謙也はやればできる子や」
「いやいやいや、無理無理ほんま勘弁してくれ。そんな期待に満ちた目で俺を見んといてくれ」
「謙也!」
「無理無理無理無理」
「浪速のスピードスターやろ!」
「今それなんも関係ないやん!」
「スピードスターのようにGを滅却してこい」
「ああああ!もうわかったわやればええんやろ!くそ!」
「さすが謙也や」
「イケメンー!」
「くっそ…!こんなときだけおだてよって…!」
「でも満更でもなさそうやん」
「うるさいわ!今集中しとんねん話しかけんな!」
「なんの集中?」
「わからん」
「あれはカブトムシ……あれはカブトムシ……」
「なんや暗示かけよるで」
「めっちゃおもろいやん」
「うらああああ滅却!」


―――ブシューッ!

………ブイイイイイン!


「うぎゃあああああ飛んだああああ!」
「謙也さん余計なことやってくれはったわ」
「もう誰も信じられへん!」


―――ガチャ


「なに騒いどんや?」
「小石川ああああ!奴が!Gがああああ!」
「ん?ああ……」


―――ブシューッ!


「え」
「まじでか」
「ん?どないしたんやみんな」
「いや、俺小石川のこと今めっちゃ拝みたい」
「神や」


(111016)
まさかの小石川。自分でも予想外。立海バージョンもやるかも
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テーマ「人外ファンタジー」
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