Tin ice in the sun

フェイブルマンズ

映画を好きな人による映画を撮ることがどんなに楽しいかを語る映画……のフリをして自分の家族はひとりの人間がめちゃくちゃにしました! を告白する映画で初見の感想は「やばいな………」でした。 スピルバーグのことをそんなに偉大な人だーと思っているわけではないので距離を置きながら見ていたのですが、やっぱり映画を撮ることに執着しつづけた人の話を見るのは楽しいです。映画が好きなので。 でも、主人公の父親はPCの(おそらく)エンジニアで主人公の才能を「趣味」と言い続け、彼の才能を守ってくれていたのは母親でした。 この時点で「ああ……」となるのですが、フィクションらしく捻った展開が出てきます。 ユダヤ教徒であるというお話は馴染みがないものなので「受け入れる地域」「差別がひどい地域」というのはなかなか難しいです。熱心なキリスト教徒がいるかどうかとかによる。うっすら把握勢なので………。 その差別を乗り越えさせるのは映画でした! みたいな展開にはならなかったのでよかったです。 個人的には映画の中の理想は時に現実の人間を殺す、という映画の真理のひとつがあんな風に描いてくれたの天才? になりました。よかった。 いろいろ言いたいことがあるので追記にネタバレありのコメントです。


わたしはあの母親のことまあまあ嫌いなんですけどもフィクションの中では好きな方です。めちゃくちゃな女!! わたし自身、不倫をする女が好きではないしそのまま「家族のためになら相手を切り捨てられる」とかそんな素振りをする女も好きではないです。なので母親はかなりめちゃくちゃな人間かよ……と思ってました。途中までは。 離婚するとなってから、娘のひとりに「天才に崇められるのは可哀想」という言葉を言われます。うわうわうわわわとビックリしました。天才に異様に好かれる凡才というテーマが好きなので。 主人公は母親のような性格を引き継いだ天才の人間だったのかーと納得しました。主人公も中々にめちゃくちゃな性格をしている。 途中からボーイスカウトの面々のみになって家族の撮影をしなくなったり、母親の浮気がわかるところを撮影してしまったり。 彼の見るべきところだと思ったものは無意識にでもカメラで拾っているの、天才のところ……。 結局、主人公の人生の背中を最後に押したのは父親だったの皮肉かなにかか? と思ったのですがこれは結果論なので……家父長制というか、最終決定は父親によって下されるみたいなお話になってましたね。よかったけど。 某監督、出てきてびっくりしました。スピルバーグにとっての偉大な監督〜〜〜ひゅ〜〜〜〜!!!!! あと全然本編に出ないけどダグラス・フェアバンクスの話が出てきてにっこりしました。推しではないけど彼のゾロ、好きな方です。

  • 7th.Mar
  • Movie