「ねぇ」
「なに」
「ピアス」
「開けたいの?」
「悠馬とお揃いのが」
俺がそっと悠馬の耳に触れると少しくすぐったそうな顔をして手をのけられた。
悠馬はピアスが好きだから俺も悠馬の好きなものを身につけたいと思った、それに悠馬と同じ場所に傷があるのは素敵だなって思った。ただそれだけ。
「痛くしないでよ」
「悠歩はビビりだからね」
「慎重なんだよ」
「でも臆病だ」
「言い方だね」
「そうだね」
パチンッ
ピアッサーのバネが一気に伸び右耳にじんじんと熱が走る。
「痛い?」
「全然、熱いだけ」
「へぇ」
「悠馬座りなよ」
「ん」
バチンッ
「ほんとだ」
「ね?」
左右対照につけた互いのファーストピアスをながめ何だか支配欲が満たされる気がした。ただそれだけ。
ただそれだけ。
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ゆまゆほ好きです。