目が覚めて真っ先に飛び込んできたのは白だった。
「……あれ、俺なんでこんな所」
俺は仕事をしていたはずだ、ボスの娘を奪いとってくるために。
考えを整理するために周りを見渡すが現実味のない真っ白な世界が果てしなく広がっている、その中に一人へたりこんでいるのが自分だった。
「夢でも見てるのか…?」
誰もいないとつい独り言が口からでてしまう。
「イルーゾォ?お前なんでここにいるんだ!?」
「うわっ……え、嘘、ほ…ホルマジオ」見慣れた人間が突然目の前に現れイルーゾォは驚きを隠せないでいた、しかもそいつは正真正銘ホルマジオだ。
「夢だ、これ絶対夢だじゃなきゃホルマジオがいるなんて……」
「俺だってびっくりしたぜ、お前来るの早すぎだって全くよ」
そう言って彼はぽんぽんと俺の頭を撫でてくれた、夢とは思えないいつも通りの彼の体温が伝わってきた。
「夢じゃないの?ホルマジオ本物?」「当たり前だろ、ほれもっぺん触ってみるか?」
差し出された手を恐る恐る握ると涙腺がいっきに緩み壊れた蛇口のように次から次に今まで耐えてきたぶんの涙が溢れてきた。
「あっ…会いたかっ、た…もう会えないと思ってたっ、寂しかったっ……」
しゃくりあげ何を話しているかもよく分からない俺の話を彼は背中をさすりながら聞いてくれた。
そして話終わるとごめんな、えらかったな、お疲れさんと言って抱きしめてくれた。
ふと先ほどまでの事を思い出した俺はジョルノの能力によって死んだんだ、頭の片隅で他人事の様にそう思った。
けどもういいや、彼に会えたんだがら、俺は今幸せだから。
ぽろりともう一粒涙が落ち真っ白な世界に染み込んだ。
25時と366日目の世界
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title→カカリア
あんまりに素敵なお題だったから使ってしまいました、だがしかし雰囲気文(笑)