企画小説 | ナノ


※凛月視点


ふっふっふっと笑みが溢れる。


「子供の名前さ〜、俺色変えられちゃうんだよ」
「んぅ?りっちゃん、まほーつかいなの?」


子供の名前は俺の言葉を不思議そうに耳を傾けて首を傾げた。さすが子供の名前。素直に聞いてくれるいい子だねぇ。


「そう、俺は魔法使いだったのだ」


この言葉を不思議そうに受け止めていた子供の名前はちなみに数分前のこと。

それから数分後の子供の名前と言えば、目をキラキラに輝かせてドタバタと事務所内を駆けていく。



「つかさちゃん!!!なーちゃん!!!!もこもこ!!!れおくん!!!いろかわった!!!!」



それは大声でドタバタと。

全く可愛らしいねぇ。














白いトレーに粉の入った袋が数個。子供用の椅子に座った子供の名前は不思議そうにガサガサと袋を振っている。



「凛月先輩、今から何をするのでしょうか?」
「りっちゃんがね、今からまほー使うって!」
「Magicですか?」



子供の名前の横にはス〜ちゃんと反対側にはナッちゃんもいるんだよねぇ。ス〜ちゃんの手元にも同じ準備させて、ナッちゃんは楽しそうに見ているだけ。

ちなみにバタバタと話しかけられてた月ぴ〜は作曲に夢中過ぎて子供の名前に背中を揺さぶられても周りをグルグルされても気づいてなくって少しだけしょげてたので、今回ス〜ちゃんたちを巻き込んだんだよね。



「ス〜ちゃんもやってみてね〜楽しいよ」
「凛月先輩がそう言うのでしたら…、かしこまりました」
「じゃあ、まずはこの袋を開けて、ここと同じところにこの魔法の粉入れてね〜」
「まほー!」
「子供の名前、こぼしちゃダメだよ〜?」
「子供の名前ちゃんのはアタシが開けてあげるわね」
「子供の名前やりたい!」



もう子供の名前はさっきの光景を見ているから興味津々、ワクワクしてます!ってのがすごい表情に出てるんだよね。ナッちゃんが代わりにやってあげると言っても何でもやりたい年頃。自分でやると言い張るのでナッちゃんはその様子を横で見守りながらフォロー。粉を入れてもらってから用意していた水を少し入れてスプーンでかき混ぜる。



「まぜまぜ!」
「子供の名前ちゃん上手ね〜」
「子供の名前ね、できたよ!」
「さすが子供の名前ちゃんです!混ぜたら青くなりましたね…?」
「うん、そしたらもう一つの魔法の粉も入れてね〜」



子供の名前はできた!と自慢げに呟いて隣にいたスーちゃんのトレーも覗き込む。2人とも同じ青くなったペースト。自分と同じように出来上がった中身を見て満足そうだ。なので次の作業、新たに粉を入れてまたかき混ぜるよう指示をする。



「えっ、凛月先輩…!」
「ぴんく!ぴんくになった!」



子供の名前が驚くのは予想していたけど、まさかス〜ちゃんも驚くなんてねぇ。でも新鮮な反応に俺はほくそ笑む。


「ちょっとぉ、何やってるわけぇ?」
「いずくん!すごい!ぴんくだよ!!!」
「はぁ?ピンクってどういうこと…」
「りっちゃんがね!まほーのこなくれたの!」



さっきまで留守にしていたセッちゃんがタイミングよく戻ってくるなり、怪訝そうな表情で俺たちを一掃するように視線を移す。セッちゃんのそんな様子でさえ関係ない子供の名前は冷めないテンションでセッちゃんに言い寄っていてそれがまたおかしくて笑わずにはいられない。



「みてみて!これね、あおかったのにぴんく!」
「すごいわよね、泉ちゃん」
「子供の名前、しかもそれね食べれるんだよ〜」
「たべれるの?!?!」



子供の名前は俺の言葉全てに驚くから本当に面白い。食べれると聞いて、もうこの時点でセッちゃんそっちのけ。かき混ぜるのに使っていたスプーンでペーストを掬い上げて一口パクッと口に入れる。



「ん!あまいよっ!つかさちゃん!!あまい!」



色が変わるだけでも楽しいのに食べれるなんて言われたらもっと楽しいよねぇ。甘いモノと言えばと言わんばかりにス〜ちゃんにも早く食べてと催促する子供の名前。ス〜ちゃんもつられて一口食べてみれば、口に広がる甘さに驚きつつもその目は輝いていた。



「これはすごいですね!お菓子なのでしょうか…?」
「おっ、子供の名前楽しそうなことやってるな〜?」
「むっ!れおくんきらい!」
「ぇえ〜?!なんで?子供の名前突然どうしてだ〜?!」



作曲が終わったのか現実に戻ってきらしい月ぴ〜。楽しそうな俺たちの声に惹きつけられてやってきたのは一目瞭然。だけど、さっき完全に聞く耳を持ってもらえなかった子供の名前はまだ根に持ってるようで、月ぴ〜のことを嫌いと言い首をプイッと振る。あからさまな嫌がり方に月ぴ〜はバタバタと動きながら子供の名前の周りをウロウロするから、正直どっちも似たり寄ったりだよねぇ。


「レオさんは先程子供の名前ちゃんのお言葉を聞いていなかったから怒っているんですよ」
「そうなのか?!」
「そうよ、子供の名前ちゃん見て欲しくてレオくんのところにせっかく行ったのにね」


ス〜ちゃんとナッちゃんも味方につけたことにより、2人の言葉を聞いて月ぴ〜はさっきから驚きっぱなし。見る見るうちに顔色も悪くなって、両手をパチンと合わせると子供の名前に向かって小さくなって頭を下げる。


「子供の名前!ごめん〜!俺が悪かったから〜!」
「ほら、子供の名前。月ぴ〜も謝ってるよ〜?」



ここまで謝れば子供の名前もシュンとした様子で許すのはお決まりパターン。「れおくん、きらいじゃないよ」なんて言ってて自分の言ったことがその場の勢いでとは言え今更嫌になったらしい。2人でごめんねをして仲直り。子供の名前も機嫌を直して持ってたトレーに入れていたスプーンを掬い上げて月ぴ〜にあーんとしてあげる。


「れおくん!これね、子供の名前がつくったの!おいしいよ!」
「そうなのか?!子供の名前が作ったの!すごいな!!!」


月ぴ〜も子供の名前と一緒に大興奮。子供の名前が作ったって言葉を聞いて凄いと褒めて、一口食べて美味しいな!とまた喜んで。かき混ぜて作るだけとわかってるはずなのにこういうところは月ぴ〜のお兄ちゃんらしいところだと俺は思う。



「なんでこんなに知育菓子がある訳ぇ〜?」
「んぅ?」
「これは知育菓子というものですか?」



目の前で繰り広げられる茶番もひと段落したからだろう。訳もわからず言い寄られてから、一気に放置されて傍観に徹底していたセッちゃんがやっと口を開いた。かと思えば、子供の名前やス〜ちゃんの手にしているモノについて触れる。



「そ、知育菓子。小さい子向けのやっすいお菓子だよ」
「む!いずくん!これりっちゃんがまほーのこなっていってた!」
「うんうん、それは魔法の粉だね。でも食べ過ぎは良くないんじゃないの〜?」



お菓子という単語を聞いて尽かさず反論する子供の名前。セッちゃんは子供の名前に激甘だから、子供の名前の言葉だけ肯定するけど、子供の名前は悟られないようにジトッとした視線を俺に向けてきた。



「Switchがここの会社の宣伝の仕事請けたらそのお礼にってもらったんだよねぇ」
「わはは!だからいっぱいあるんだな!」



しょうがないから、ネタバラシ。子供の名前には魔法の粉と呼んでいたそれはセッちゃんの言葉の通り、あの有名な知育菓子だ。ス〜ちゃんは案の定知らなかったようだけど。色が変わったりするというモチーフが変化、魔法って連想でどうやらSwitchに来た仕事らしく、会社側のお礼として知育菓子をいろいろともらったと言ってたっけ。「是非、子供の名前ちゃんと一緒に食べてください」と言われたから、俺はその言葉の通り有言実行。ちょっとだけ面白くしたって訳なんだけどねぇ。



「いずくん!おいしーよっ!子供の名前のあーん!」
「あらあら、泉ちゃん」
「子供の名前にされたら食べるしかないな!」



子供の名前はまたスプーンで掬ったそれを次はセッちゃんに差し出していた。モデルとしてこのようなものを口にするのは抵抗感もあるはず。でも差し出してるのは子供の名前だ。しかもキラキラとした瞳で食べて食べてた目が訴えている。普段なら、一刀両断で拒否するのに相手が子供の名前というだけで狼狽えるセッちゃんがおかしくて、ニヤニヤしてしまう。



「…ん」
「いずくん!おいしい?!」
「…うん、おいしいよ」


子供の名前の純粋なまでの瞳に折れたセッちゃんは一口パクリと口に含んで美味しさを肯定する。不可抗力に負けたね、セッちゃん。わーいって喜ぶ子供の名前。嬉しさと楽しさを感じながら、そのまま子供の名前はトレーに入ったそれをパクパク食べ始める。残りが減ってきた頃にはまた別の意味でシュンとし始めてしまった。



「もーなくなっちゃう…」


トレーの中身もそろそろ底が見え隠れしているほどに減ってしまった。子供の名前がこんなにもハマってくれたのであればSwitchのみんなに感謝だよね。シュンってしちゃう子供の名前も可愛いけれど、やっぱり笑ってる方が俺は好きだからね〜。


「じゃあ、次はこれでも作ろうか〜」
「えっ!つぎはおさかなさんだ!」
「colorfulですね!」
「俺はこれ作るぞ〜!」
「ちょっとくまくん!!!食べ過ぎ禁止!!!」
「あらあら」



俺が次に出したのはグミを作る知育菓子。しかもいろんな型があって面白そう。月ぴ〜も勝手に別の知育菓子を出して作る気満々。セッちゃんはお菓子ばっかりでプンプンしてたけど、知育菓子なんて所詮微々たるものなのにね。まあ、後々に怒られるのはス〜ちゃんかなぁなんて思いながら、ナッちゃんと一緒に次の知育菓子を開封した。


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