トリスタVS



※某番組パロもどき


テレビから聞こえるのは毎週この時間にやっているであろうバラエティー番組。トリスタの番組で毎回、ゲストチームといろんな対戦をするというものだった。


「今日のゲストはいろいろ凄いな」
「うんうん!特にウッキーとサリーは大変かも!」


オープニング挨拶で並ぶトリスタ4人の姿。表情を変えずに話し始めたのはリーダー氷鷹。その言葉を全肯定で楽しそうに笑う明星。


「あはは…、僕普段より緊張がすごいかも」
「まあ、今日も全力で頑張ろうな」


開始早々、既にお疲れモードの遊木を励ますように衣更は「それではゲストさんの登場です!」と掛け声を発した。





最初に映るのは赤い髪、登場した瞬間に一度は立ち止まり姿勢のいい会釈をして入場してくる。そのあとに続くのは、ダブルピースをしたオレンジ色の髪、「うっちゅ〜!」という言葉。そこからもう怒涛の登場だった。「ゆうくーん!」という大きな声が響き、「まーくん」と甘ったるい声が発せられ、最後にニッコリと麗しい笑顔と手振りで綺麗に締め括られた。


「登場からすごいなぁ…、今日の対戦ゲストチームはKnightsのみなさんです!」


個性バラバラ、個性爆発させているはずなのに、あまりにも見慣れた光景に衣更は圧巻された様子を見せながらもゲストコールを上げる。ゲストであるKnightsは、普段の騎士らしい衣装とは異なり、動きやすいカジュアルな格好をしている。そんな中、まず最初に口を開いたのは面白くなさそうな表情を浮かべている瀬名だった。



「ちょっとぉ〜、なんでゆうくんの敵なわけ?」
「泉さん…そういう番組ですから」
「俺もまーくんと同じチームがいいな〜」
「お二方!今日はKnightsとしての参加なんですから!unitでのteamworkを見せるためにもそのようなことはお控えください!」


各々、言いたいことを早速言い始めてしまい、収拾がつかなくなりそうになる。しかしそれをまとめたのがKnightsの現王様である朱桜司だった。朱桜と言えば、ぷりぷりとしながらメンバーである瀬名と朔間に注意をかける。その様子はもはや安定の光景でもあるため、トリスタの面々は気にも留めることなくその場を進行させる。


「まあ、積もる話もあると思うけど!」
「Knightsは5人だから、うちにも助っ人ゲストがいるみたいだな」
「実は俺たちもゲストは聞いてないんだよね〜」
「ゲストさんは、今日いるみんなと接点があるらしいね」
「じゃあ、ゲストに登場してもらいましょう!ゲストはこの方でーす!」


衣更、氷鷹、遊木、明星の順番でトークは進み、みんなの視線はスタジオ内の登場口に注がれた。








「こんにちは〜、水城優希です!よろしくお願いしまーす」


登場したのは、水城優希。カメラに向かって手を振りながら現れた彼女にトリスタの面々は拍手を送る。


「初登場で、お久しぶりです!優希さん」
「トリスタのみんな、お久しぶりです!今日はみんなの足を引っ張らないようにがんばります…!」
「対戦はあのKnightsだからな、気を引き締めて」



トリスタのメンバーに囲まれて、意気込みを語る優希。順調にオープニングトークを進めていけていると思っていた、はずだった。




「優希がいるなんて聞いてないぞ!おれもそっちのチームに行く!」
「ちょっとレオさん何言ってるんですか!」
「そうだよ、月ぴ〜。俺もま〜くんと一緒がいいな〜」
「ちょっとぉ〜、レオくんもくまくんも抜け駆けは許さないんだけど〜?!」



優希の登場により、月永のスイッチまでも入ってしまい、完全にKnightsの年長組の言い争いが始まる。これにはレギュラーメンバーであるトリスタも言葉を失い、同じKnightsである朱桜は頭を抱えて、鳴上は苦笑いを浮かべていた。







テレビ越しに見ていたが、オープニングから思わず言葉が漏れる。


「…この番組大丈夫か」

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