トリスタラジオ



各週放送のオンラインラジオ。
スマホでアクセスし、最新のラジオ回をクリックすれば、ONLY YOUR STARS!のイントロが流れ出す。


「はーい!みなさんこんばんは!Trickstarの遊木真です」
「みなさんこんばんは〜!同じくTrickstarの衣更真緒です。今夜は俺と真がパーソナリティー担当します、今夜もお付き合いよろしくお願いします!」



最新更新回のパーソナリティーはTrickstarのメンバーである遊木真と衣更真緒。安定感のあるトークとテンションで言葉を紡ぐ。




「さて、今夜は素敵なゲストに来てもらってます。みんな誰だと思うかな?」
「俺たちは割と前から縁のある人だな」
「確かに。と、いうよりは、僕も衣更くんも今回のゲストさんも巻き込まれて感が半端ない気もするけど…」
「まあ、確かに否めない…けど!今日は俺たちとゲストさんなので、心置きなく楽しんでいこうぜ!」



真は声だけでもどんな表情を浮かべているのか、ファンや彼を知ってる人ならすぐに想像がついた。ははは…と乾いた笑いを浮かべ、まだ始まったばかりだというのに、既に疲れの色が見えている。対して、真緒はその流れを変えるべく、持ち前の明るさをラジオでも発揮した。


「本日のゲストは、水城優希さんでーす!」
「こんばんはー!ニューディメンション所属してます、水城優希です、よろしくお願いしますっ」
「いらっしゃいませ、優希さん!今日はゆっくり、楽しんでいってくださいね」


パチパチと拍手と共に聞こえてくるソプラノの声は優希のものだった。登場BGMは、彼女の有名な持ち歌である。


「優希さんと言えば」
「…と言えば?」
「やっぱKnightsかなって」
「事務所も一緒だし、割とセットでいること多いからね」
「SNSでも割と一緒に写ってること多いですよね、この前も月永先輩と遠征行ってましたよね」
「あ、その話聞いた!なんかトラブル続きだったって」


SNSチェックはさすが真と言うべきだろう。最近あった優希のスケジュールを把握しているようで、話題に出せば真緒も食いつく。それに対して、優希は何とも言えない歯切れの悪い笑いが漏れる。


「そうそう、実はスマホが壊れまして」
「うんうん」
「そのまま遠征だったんで、3、4日スマホないから、人によっては音信不通になっちゃって」
「うっわあ…それは大変なやつだ」
「しかも一緒にいたのレオくんでしょ?レオくんもスマホ忘れて2人揃って連絡手段なくって!」
「それは月永先輩らしい…」
「ありがたい事に、スタッフの力を借りて緊急性の高い連絡は大丈夫だったんだけど、まあ他は大騒ぎだよね」
「そりゃ大変ですよっ!しかもこんなタイミングに壊れなくても良いんじゃ…」
「なので、みなさんは落としてヒビの入ったスマホを洗い物した後の濡れた手で触っちゃダメですっ」
「結構リアルな理由…!!!」


後日談だからこそ、笑いとしてトークは進んでいく。















「トリスタのライブまた観に行きたいな〜」
「ぜひ来てくださいよ!うちのスバルとか北斗も喜びますよ」
「多分、泉くんと凛月くんもいるけどね」
「あはは…あの2人に挟まれてる優希をライブ中に見つけるとなかなかシュールですけどね」
「2人の熱量すごいからね、でもほんとみんなかっこいいから、1ファンとしてリングライトとかペンライト振って楽しんでるよ〜」
「こう改めて言われると、ちょっと恥ずかしいな〜」
「確かに。さて、ここで優希さんから告知があります!」

「はい、この度、水城優希の初めてとなる写真集が発売します!発売記念に、握手会も行うので、よろしかったら是非手に取ってもらえたら嬉しいです」
「優希さんの写真集…!コンセプトは…?」
「初めての写真集なので、アイドルの水城優希もいいかな、と思ったんですが、みんなが普段見れないオフの水城優希を納めてます。現役じゃないけど、制服来て学生だった場合ならこんな感じかな〜とか」
「へぇ!それはファン必見!」
「一緒にお出かけしてるようなのもあるので、自分で見るのはちょっと恥ずかしさもあるけれど、みんなとの距離が近く感じられたら良いなって思って作りました」
「つまり、見方によってはデートしてるようにも見えるとか…?」
「うーん、ある…かも?」
「それは気になる…!買わなきゃ!」




「それでは、Trickstarの遊木真と」
「同じく衣更真緒とゲストは」
「水城優希でした」







ラジオは終了し、スマホの再生も停止を知らせる画面に変わった。星奏館の共有スペースにて、置かれていたスマホの画面はスリープモードになるべく、画面も自然と暗くなる。そんな様子をただボーッと見つめていた藍良は、意識がハッと戻るや否や、興奮冷めやまぬまま横にいた一彩に勢いよく視線を向けた。


「ヒロくん、優希さんの写真集だって!!!買わなきゃ!!!!」
「ウム!僕も姉さんの写真集が欲しいな!」
「どこで買えるかチェックして、握手会も行かなきゃねェ〜!」


一彩も藍良同様に、意気揚々とした様子で目をキラキラと輝かせている。そんな彼の表情を見て満足した藍良は真っ暗になったスマホをすぐさま手に取り、ポチポチと新情報チェックをし始めた。


「カーノジョ♪」
「うわぁあ!燐音先輩!」
「兄さん!」


突然後ろから両肩にポンと手を乗せられ耳元で誰かの声がしたために、藍良は思い切りびくりと驚きの声を上げる。

振り向けば、至近距離に満面の笑みを怖いぐらいに浮かべた燐音の姿。肩に乗せられた手から強めの力が加わっていて、正直恐怖さえ覚えるレベルだ。


「すっごい楽しそうなコト聞こえてきたンだけど、どォ〜ゆ〜コト?」

「エッエッ」



その後、詳細を知った燐音も加わり、握手会イベントの詳細チェックをしている姿があったとか、目撃されたとか。

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