娘の成長3



※娘3歳
※椎名視点




めちゃくちゃ怖かったっす。


ニッコニコの笑顔で「にい!」って呼んでくれる蓮ちゃん。…と、めちゃくちゃ色んなことを言いたげな視線を送ってくる燐音くん。もうこれだけで怖いんすけど?!?!



優希ちゃんからメッセージが来てて「蓮をニキくんのところに行く気になったせいで、燐の機嫌が悪くなっちゃった…ごめんなさい」と書かれていたので覚悟してたっすけど。実際、僕ん家にやってきた顔見たらいつも以上にめちゃくちゃ怖かったっす。



しかも蓮ちゃんが「ぱぱ、ばいばい!」なんて言うから燐音くんが本当に怖くて怖くて!蓮ちゃんがいる手前我慢してたけど、蓮ちゃんの一言でこんなにも翻弄されてることを知ってる身としては、燐音くんも一緒に、と誘ってあげたいのも山々だけど今日だけは我慢してほしい。

最後まで恨めしそうにしていた燐音くんが扉の向こうに消えた頃、バタンと閉じた玄関を確認して僕は蓮ちゃんに向き合う。




「蓮ちゃんは、パパのこと好きっすか?」
「うん!」
「僕も蓮ちゃんのパパのこと好きっすよ〜!蓮ちゃんのパパ、お誕生日なんで一緒に美味しいもの作ってあげましょう!」
「はーいっ!」



蓮ちゃんの元気な笑顔と返事。燐音くんは今頃家でいじけてるっぽいし、めちゃくちゃに驚かせてやるんで楽しみっす!





「蓮ちゃんは、パパの好きなもの知ってるっすか?」
「蓮しってるよっ!」



何を作るかは決めてある。だけど、そのまま話してしまうのも楽しくないので、蓮ちゃんが楽しんで準備できるように尋ねてみた。大きな目をキラキラさせて、自信満々に知ってると言う蓮ちゃんは凄く楽しそう。



「ぱぱはね!蓮がすきなんだよっ!」



ん?




「…蓮ちゃんの他は?」

「んぅ?ままもすきっ!」





んぃ???





「蓮ちゃん」

「なあに?」

「パパの好きな食べ物が知りたいっす」



蓮ちゃんはどうやら燐音くんの好きなものとしての括りを答えてくれていたらしい。だけど今、僕が聞いたのは好きな食べ物。蓮 ちゃんにちゃんと伝えられなかったのがいけなかったっす。そう思って、ちゃんと噛み砕いてもう一度聞いてみると、蓮ちゃんは不思議そうな表情で首をこてんと傾ける。


「んぅ?ぱぱね、ままのごはんおいしいっていってたよ!」




あーーーー本当に蓮ちゃんって燐音くんの子どもっすか?!めちゃくちゃにいい子すぎて、僕今更驚きっすよ…。そのまま大きく育ってほしいっす。そう思って思わず、蓮ちゃんのことギュってしてしまった僕。蓮ちゃんはそんな僕の気持ちなんて知らないだろう。いつものように「にいすきー!」ってギュッてしてくれたっす!!!ホント燐音くんいなくてよかった…!!!





「蓮ちゃん、今日はパパが好きなピザを僕と作りましょうね」

「ぴざー!!!」



あ、良かった。ちゃんとピザわかってくれたっす。さすがにパスタは蓮ちゃんと作れないっすからね。ピザ生地延ばして、蓮ちゃんにピザをトッピングしてもらい、それを焼く。これが今年、蓮ちゃんと優希ちゃんと一緒に燐音くんへ送るプレゼントっす!


喜んでくれること間違いないっす!

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