パパと仲間



今日は優希は仕事で不在。ってことで、優希の代わりに蓮を見る必要性がある。なので、




「ちわ〜っす」
「はぁ…、天城じゃないですか…って」
「なんや、蓮ちゃんもおるん?」


クレビとしての仕事は休みの今日。いつものようにシナモンに来てみれば、案の定いつものように集まるコイツらに笑ってしまった。揃いも揃って本当に暇な奴らだなァ。



「今日は優希が仕事だからよォ。どーしてもってことで、今日はパパが見まーす」
「ぱっぱ」


メルメルもこはくちゃんも俺っちの方を見るなり、物珍しい表情を浮かべる。それもそうだ。今日はかわいいかわいい俺っちの蓮と一緒だからなァ。空いていた椅子に腰掛けて、持ってた荷物をどかっと側に下ろす。ちゃんと膝の上には蓮を抱えて、二人に見せるように蓮の片手を上げて振り振りしてれば、タイミングよく蓮もパパという。いや、まじ可愛いな。


「蓮ちゃん、しばらく見ないうちに大きくなりましたね」
「だろ〜、最近は基本離乳食とか食ってるし、歩けるようにもなったからよ。な〜っ」
「うん…?」
「完全に親バカや」


自分の手を口に突っ込んだまま、俺の言葉を訳も分からず見つめてくる蓮。いや、まじ可愛いな。こはくちゃんが呆れてるけど、そんなのはぶっちゃけどうだっていい。メルメルの言う通り、子供の成長が早くて毎日今この瞬間を愛でておかなければならない。ぷにぷにと頬を突っつけば、それが嫌だったようでヨダレによってベタベタの小さな手で俺の指を掴む。


「天城もちゃんとお父さんできるんですね」
「ひっでェなァ、メルメルはよォ」
「め〜う」
「おや、HiMERUはHiMERUですよ」
「メルメルだぞ〜」
「なんっすか、ここはベビーシッターの溜まり場っすか…」
「よォ、ニキ」


最近、蓮は言葉を覚えようとしてるのか俺や優希の言葉を真似ることが増えた。今だってメルメルという名前に反応して必死に言葉にしようとしている。これがまた可愛くて、メルメルだって案外楽しんでる様子で蓮に話しかけてるし、と思っていたら厨房からニキがなんとも言えない表情で出てきた。


「蓮ちゃんもいるなんて珍しいっすね」
「優希は今日仕事だからなァ、だからパパと一緒ってワケ」
「なるほど。優希ちゃんいなくても泣かなくなったんすね」
「パパと一緒だしなァ」
「…そんなパパでも泣いてたのは蓮ちゃんっすよ…」
「…ニキてめコノヤロウ」


俺の足の上に立って、テーブルに身を乗り出そうとする蓮を支えながら、ニキのやつにジロリと視線を送れば、「こわっ!蓮ちゃんがまた泣くっすよ…!」と声を上げる。見られなきゃ良いんだよ。









娘設定
蓮(れん)ちゃん(デフォルト)
見た目は髪色も目の色もパパ似で最近言葉を覚え始めてる。
なんでも興味を持ち始めた頃で、何故かニキがお気に入りの様子。それが面白くない燐音パパ。たくさんのお兄ちゃんたちに囲まれて、すくすく成長中。

泥の中から這い出て綺麗に咲く蓮の花のように、例え自分たちのような苦難があっても突き進んで他人から心惹かれる人になれるように、と想いを込めて。


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